本書は2002年に文庫化(ちくま学芸文庫)している。
【目次】
まえがき
I 日記より――あるアラビアの一日
1 マリアムの憂鬱
2 夜のつどい
3 荒野の朝
4 町のインテリ
II フィールド・ノートより――荒野に生きる人々
1 食べること、飲むこと
飲み食いの意味/朝のコーヒー/ベドウィンは菜食主義者?/祈って屠る/食事の作法/食後に手を洗う/食べたら解散
2 伝統衣装、イスラームと沙漠の産物
威風堂々のアラビア服/下ばきははかない/かぶりもの/女性の服装/下着いろいろ/髪型/飾面/最先端をいくファッション/衣服の共通の原理――太陽と砂は大敵
3 住いは女のもの
住居の変遷/間仕切りは同じ/女の間
4 沙漠の喜びと悲しみ
人間の歴史は結婚から/姉さん女房/部族柄の考慮/井戸端でのロマンス/縁談のとりすすめ/ハーリド君の例にみる/宵闇の結婚契約式/カーテンの儀式/前前夜から前夜へ/結婚披露の夜宴/客もお色なおし/初夜を迎える/一夫多妻/離婚と待婚期間/子どもの誕生/名づけの儀式/産児制限/イスラーム教徒にとっての死/沙漠の葬式/墓標のない墓地/服喪/墓参りはしない
5 詩と踊りの世界
生活のなかの詩/手みやげは詩で/乙女のまつり/不意打ちの詩合戦/停戦の輪舞/「かもしか」と「山羊」の舞踊り
6 水とベドウィン
沙漠の水害/サイルの治水/泉の生死/ひよわな地主/水主と地主の分離/企業農園の出現/労働力構造の変化/人口の流動
7 土地とベドウィン
大理石の争奪戦/土地のなわばり意識/ワクフ/アブドル・ワッハーブの古証文/荒地への執着/天水農業/耕作地の近くには住まない
8 むらのなりたち
居住集団の流動性/むらの定義/むらの誕生/アワド、首長となる/モスク建設/静と動の共存/村齢/定住化への動因
9 日々のイスラーム
五回の祈り/祈りと生活が溶け合う/女の祈り/断食/断食解除の夕べ/生涯かけた巡礼/羊のいけにえ/信仰の告白と喜捨
III 雑記帳より――移動文化を考える
1 町のアラブと沙漠のアラブ
アラブの原像/蔑視と尊敬/沙漠への憧れ
2 アラブのものの見方
労働について「働く」ことの意味/自己主張について/権威について
3 アラブとのつきあい
アラブの「親切」をめぐって/アラブへの接近/違いを楽しむ
参考文献
あとがき
- 感想投稿日 : 2016年1月9日
- 本棚登録日 : 2016年1月9日
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