【感想】
コンサル出身で経営に詳しい著者が資本主義と政治を語っている本。印象的なエピソードは多いが、実証やロジックは薄い。アイデア一本槍の本。
でも実際売れてるので、「進歩的な政治を否定する」(337頁ほか)という主張は、国内外で共感を読んでいる。
著者の言いたいことは理解できるし、突飛な意見だとも思わないので、他の方のレビューにもうなずけるところがある。
ただ、これとは別に、日本語版にくっついている「巻頭解説」が開設のレベルに達しておらず、煽り文句ばかりで、書籍の評価にはマイナス要因にしかならない。何故執拗に中野剛志氏が専門外の解説役に採用されるのかと訝しんでいたが、『西洋の自死』と本書の編集者が同じだった。
【書誌情報】
『WOKE CAPITALISM――「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』
原題:Woke Capitalism: how corporate morality is sabotaging democracy(Bristol University Press, 2022)
著者:Carl Rhodes
訳者:庭田 よう子
解説:中野 剛志
発売:2023年4月14日
ISBN:9784492444740
サイズ:四六/並/360
https://str.toyokeizai.net/books/9784492444740/
【簡易目次】
巻頭解説(中野剛志)
第1章 ウォーク資本主義に関する問題
第2章 企業ポピュリスト
第3章 ウォークの意味の逆転
第4章 資本主義、ウォークになる
第5章 株主第一主義
第6章 ウォークネスの皮を被った狼
第7章 見た目が良くても環境に良いとは限らない
第8章 CEOアクティビスト
第9章 人種、スポーツ、ウォークネス
第10章 人種的資本主義とウォーク資本主義
第11章 ウォークな企業の最高のあり方
第12章 右手で与える一方で
第13章 ウォーク資本主義から目を覚ます
- 感想投稿日 : 2023年7月13日
- 読了日 : 2023年7月4日
- 本棚登録日 : 2023年7月7日
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