いま中国人は何を考えているのか

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2012年2月1日発売)
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著者:加藤嘉一(かとう・よしかず) コラムニスト
内容:ありきたりな国民性論とおもしろい時事評論。

【目次】
まえがき(2012年1月11日、北京の自室にて 加藤嘉一) [003-006]
目次 [007-019]

第1章 日本人があまり知らない中国人マインド 021
見栄を大切にする中国、実利を取る日本――スタバでわかる日中の違い 022
上海万博は中国人で大盛況
北京のスタバでは客の注文を無視することも
地域によって異なるサービス水準
中国のスタバにはショートサイズがない!
砂糖やミルクはたっぷり入れる
ブラックで飲む人は日本の100分の1しかいない?
一大イベントは「ガス抜き」効果? 033
ワールドカップ一色に染まった2010年夏
圧倒的に多いサッカーファン
日本や韓国は応援しない
中国内にはびこる腐敗
日本に来ると軍国主義でない姿に驚く 039
中国人のすさまじい購入意欲
日本への旅行条件を緩和
規制緩和の三つの効果
共通点の多い日中
中国人にはなかなか理解されない「個人の見解」 049
尖閣での衝突は小泉首相退任以来の危機
緊迫したなかで重慶に
日中の政治システムの違いを明確にする

第2章 確実に育ちつつある市民革命の萌芽 059
中国高速鉄道衝突事――人民が週刊誌の記者のように 060
「ネット版天安門事件」を恐れる中国――次々と削除されたブログと掲示板 062
グーグル VS 中国政府
グーグルのジレンマ
「ネット版八・九」は起こりうるか
四つの機関がネッ卜を監視――検閲強化で激減したネット利用 069
重要イベントの前後は統制が強まる
ネットユーザー実名登録制
「封じ込め」の効果は絶大
世論引き締めと緩和のジレンマ
劉暁波ノーベル平和賞獲得は中国民主化を促すか? 077
一言で十分に理解できる
劉暁波のノーベル平和賞に政府内はパニック
外国人の動向よりも「中国人が中国をどう思うか」を重視
パンドラの箱は開きたくない
変わりゆくメディア――民主化の「追い風」にできるか
ネットとマスコミではこんなにも違う――毒ギョーザ事件に中国国民はどう反応したか? 087
突然の事件解決
沈黙を破るワンミン
民衆の不満を裏付ける結果に
映画『南京! 南京!』にこめられた中国人監督の本音 094
少しずつ変わりつつある民衆の歴史観
日本兵が行った「二つの解放」
歴史認識を超えた世界
限られた環境でリスクを背負う中国人

第3章 実はとても日本が気になる中国人l 101
日本の首相がころころ替わるのはなぜ?――高校生がつぶやいた一言 102
鳩山首相の突然の辞任に驚く
アジア各国は日本の一挙手一投足を見ている
日本の苦境が政治を壊しているのか
「頻繁換相」から抜け出すには
民主主義は国を成長させたのか?  111
日中ジャーナリスト会議
中国メディアは政府発表を鵜呑み
脱GDP主義がはやり
日本への関心はあまり高くない?
国際社会から「同情」される海洋国家日本の外交 119
「日本の政治家は何に忙しくしているんですか?」
12歳少女からのアドバイス
ソフトランディングを目指した日本
利益を得たのは米国か
日本を仮想敵国にすることには何の意味もない
あるときは大国、あるときは新興国――中国が陥るダブルスタンダードというジレンマ 131
気候変動問題について激しく議論
国益を最優先にした発言
中国人のコミュニケーション術
他山の石とする中国のしたたかさ――トヨタのリコールへの対応に学ぶ 138
トヨタ神話は終わったか?
米国から直接北京へ
トヨタ危機は決して他人事ではない
他山の石とする中国のしたたかさ

第4章 世界第2位経済国の自信と苦悩 147
舞い上がる中国――独自の体制に自信を持つ国 148
還暦を迎えた中国
内への投資から外への投資へ
何をよりどころにすればよいか
中国の独自モデルを歓迎
北京事務所撤退の大号令――中央のご機嫌取りに躍起な地方機関 156
北京にある地方政府の事務所は数多い
地元への便宜をはかるため中央省庁を接待
積極的に民衆のガス抜きを行う
「敵」「仲間」というイデオロギー闘争
腐敗は数千年の歴史に根ざしている
対日デモは実は中国政府にとって痛手だった 163
デモは一切禁止
2005年の悪夢が脳裏をよぎる
「日本を批判すること」=「政治的に正しい」
中国はもはや中央集権国家ではない!
共産党のガバナンスカが著しく低下
「反日無罪」に矛盾が

中国での評論4カ条――中国漁船衝突事件後に陥った無力感 175
日中の緊張と朝鮮半島の緊張
当事者として日中関係の難しさを痛感
発言する場がないことへの苦しさ
「慎重」と「リスク」の頃合いを探す
日本にもリスクをとった大臣がいた

第5章 歩いてみてわかる中国の真実 183
貧しさから信仰も放棄せざるを得ないチベット 184
『ブラッド・ダイヤモンド』の世界
チベット暴動は語ってはいけないタブー
おびただしい数の武装警察
チベット族は冬は収入がない
信仰も物質的豊かさが伴ってこそ
自分の言葉を話さなくなった人もいるチベット 191
心の中の矛盾を押さえて必死に生きる
北京もラサもやっぱり「中国」なんだと実感
国家と民族
漢族は嫌い
より良い自治を求めるチベット
チベットには漢化しかないのか
「第二のハワイ」不動産バブルに注目――海南島三亜を歩く 199
常軌を逸するホテル事情
戦略的に観光島をつくる
不動産の8割以上が地元民以外の所有
軍事島の役割も果たす
「世界の工場」からの脱却を試みる動き――中国で一番物価の高い町、東莞を歩く 206
中国で最大の工場地帯
タクシーの初乗り金額は北京の倍!
風俗都市という一面も
輸出主導経済も窮地に
モデルチエンジへの試行錯誤が続く
給料増への活動に励む出稼ぎ労働者たち――河南省鄭州を歩く 215
鄭州の重要な位置づけ
出稼ぎ労働者の異様な求職運動
沿岸部からの労働者が殺到
一転して人手不足に
2008年と2009年の三つの共通点
2009年には農民工の余裕を感じた
内陸でも労働者の権利意識が高まってきた 226
三たび、鄭州を訪問
消えた「市場」
「市場」は移動していた
食いつきのよくない労働者
地域経済が活性化した証拠
労働者の「余裕」を感じた
これからますます注目される内陸部

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 東アジア
感想投稿日 : 2018年6月6日
本棚登録日 : 2014年10月6日

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