意識と目的の科学哲学 (慶應義塾大学三田哲学会叢書 ars incognita)

  • 慶應義塾大学三田哲学会 (2024年5月21日発売)
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【書誌情報】
『意識と目的の科学哲学』
田中 泉吏
鈴木 大地
太田 紘史
新書判/並製/120頁
初版年月日:2024/05/25
ISBN:978-4-7664-2962-6(4-7664-2962-1)
Cコード:C0310
定価 770円(本体 700円)

 私たちの主観的経験に結びつけられる意識。この意識は脳・神経系という物理的な存在から発生するにもかかわらず、科学的な解明が難しいとされる。本書は「意識の難問」に対して進化論的アプローチから挑み、意識科学の方法論の再構築を目指す。
[https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766429626/]

【目次】
はじめに
意識のあらまし/意識の問題は解決困難か/意識の進化研究

第1章 意識
形態失認/盲視/意識的な視覚と無意識的な視覚/鳥類の視覚/「皮質中心主義」への批判/「意識を定義する特性」/生物学的自然主義と神経生物学的自然主義/意識の段階的な創発/相同のスコープ依存性/脊椎動物における視覚意識の進化/進化と多重実現/階層離断/意識は生存に貢献するか/半側無視/意識と報告能力を結びつける見解

第2章 行為者性
意識と行為者性を結びつける/意識と歯ブラシの掴み方/意識の役割/行為者性に高度な認知能力は不要である/理由と理解/行為者性の程度問題と多様性/人間中心主義とアナバチの「愚かさ」について/本能/理性二分法の崩壊

第3章 目的
ラマルクの目的論/アリストテレスの四原因説/ウォレスのラマルク批判/機械論/機械論と目的論の緊張関係/目的論のジレンマ/プラトンの目的論/アリストテレスの目的論/アリストテレスの目的論は従来の批判を免れる/目的指向性/目的論の自然化と目的律/目的論の自律性/表現型可塑性

第4章 意識と目的の進化
「進化の総合説」の拡張/双方向的な修正/目的指向性の進化/「生成評価の塔」/意識はどの段階で進化したか/意識と行為者性の進化/理由と理解の進化/「生成評価の塔」を評価する/意識と生存をどのように結びつけるか/意識は適応的な行為選択の土台である/意識研究の今後

あとがき

参考文献

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 401.科学理論・科学哲学
感想投稿日 : 2024年4月25日
読了日 : 2024年7月1日
本棚登録日 : 2024年4月25日

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