この人の閾 (新潮文庫 ほ 11-2)

  • 新潮社 (1998年7月1日発売)
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本棚登録 : 525
感想 : 52
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閾とは、刺激の強さを連続的に変化させたときの、生体に反応をひき起こすか起こさないかの限界。生理学・心理学の用語。(webからの引用)らしい。読んだ感想とはだいぶ違います(笑)

少し時代が古いので、女性へのある種の偏見も含まれます。が、割と現代的で知的内容だとおも思います。

この中で気になった点は、主婦には主婦を中心とした時間軸が無いという点。主婦は主導権を握っている様でその実、家族の予定に合わせて動いてる事がほとんどで、自分の時間はある様で無い。

昼寝する時間はあるが、それが自由時間かと言われると、ちょっと違う。相手に合わせるが故に起きる、自分で立てた予定ではない空き時間の様なもので、その間も食事の献立や明日の家族の予定などで頭は基本いっぱいなのだ。

そこをサラリとなんて事ない感じで描いてる点が面白いと思う。この淡々とした感じがないと主婦はやっていられない笑。女性は柔軟でないと辛くなるのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 芥川賞
感想投稿日 : 2023年6月2日
読了日 : 2023年6月2日
本棚登録日 : 2023年6月2日

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