作詞入門: 阿久式ヒット・ソングの技法 (岩波現代文庫 社会 192)

  • 岩波書店 (2009年9月16日発売)
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感想 : 15
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相手に届くということは、同感でなくてもいい。反発であっても構わない。何か、相手の興味を引く物でなければ、商品とは言えないのである

一つの物語を詞にするにも、長編形式で全部を語るのか、その中の象徴的な1シーンだけを書くのか。どちらかに決めなければいけない。どちらがより効果的なを考えるわけだ
「ざんげの値打ちもない」は長編で、「また逢う日まで」は情景である

一人称か三人称かというのも、テクニックの一つである。三人称というのは、初めから、物を見る目が三人称になっていなければできない

カムバックソングに不可欠な要素は、爆発力だと思う。シミル歌よりタタク歌の方が適している

白い蝶のサンバ ポップアート
蝶、白い イメージが人によって取り方が変わるのがいい

カムバックソング
捨てるもものと残すものを考える、全部捨ててしまうと今までのファンが逃げる

ざんげの値打ちもない シナリオのト書きを歌詞にする

ピンポンパン体操
長くて子どもが覚えられない歌→レコードを買いに走る
いろんなコマーシャルソングを入れる おもちゃをいっぱい与える

四行詞
77、75、75、75
起承転結、3段論法、3すくみ
四行をどう活用しているのか研究してみると面白い

五行詞・六行詞
四行詞にサビを加えたもの 大きなクライマックスを盛り込むことができる
三人称で書いていたものに突然サビ部分で、一人称の主人公の叫びを入れるとかできる

二十四小節形式・三十二小節形式
二十四小節:ABA、AAB、ABC Aメロ Bメロ Cメロ
二十四小節:AABA、AABC、ABAC

時代の飢餓感を見極め、捉えること
時代の満たされない部分を補ってやるものが歌

テーマ
「人間とは何か」を描く。人間に何を対面させるのか。社会なのか、自然なのか、運命なのか、歴史なのか、業なのか、悦楽なのか

詞というのはなるべく早く原稿用紙から脱出させてやるべき。それにはため息つく前に、いろいろと動くこと


歌とは時代の中で変装している心を探す作業

コンセプトが新しくて、そのままじゃまだ通じにくいから安心材料として演歌の小道具を入れる ex. 北の宿から
逆にコンセプトが古すぎるので、定型を重視しつつも、いわゆる演歌では使わない小道具だとか、使わないフレーズをどれだけ入れるかという勝負もある
イメージを共有するための装置としての情緒の定番

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コピーライティング
感想投稿日 : 2011年11月30日
読了日 : 2011年12月3日
本棚登録日 : 2011年12月4日

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