シナリオ入門―映像ドラマを言葉で表現するためのレッスン (別冊宝島 144)

  • 宝島社 (1991年12月1日発売)
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準備
シナリオは会話や描写という映像で語られ、劇的構成という文脈のなかに置かれたストーリー
経験を効果的にドラマ化するためには、経験に含まれる”現実”を取り除かなければならない。「誰それが何をした」「それはどこで起こった」ではドラマとして価値のない薄っぺらなストーリーに終わってしまうから。
テーマこそがスタートポイント
明確なテーマ、行動、登場人物が必要
構成
構成とは、出発点と終点を決めること。構成はシナリオを最大限にドラマ価値を持ったものに形成する手段
映画は視覚言語へと進化し、私たちは映像を読むことを学ばなければならない(ジャンリュックゴダール)
シナリオ執筆は、何が起こるかを書くことである。だから、シナリオは現在形で書かれる
劇的構成とは劇的な解決へと導く関連性のある出来事やエピソードを一線上に配置したもの。構成がストーリーを劇的な形に組み立てるのに役立つ
結末→発端→プロットポイント1→プロットポイント2の順で決め手短に書く
4ページの粗筋を書く
最初の半ページに始まりの場面を書く
次の半ページに第1幕の一般的な行動を書く
その次の半ページに第1幕終末部のプロットポイントを書く
次の1ページで第2幕の行動を書き、次の半ページに第2幕終幕部のプロットポイントを書く
そして、最後の1ページに第3幕の解決を書く
キャラクター作りの4要素
性格とは、行動である
①劇的欲求
②考え方 登場人物が世界をどう見ているか
③変化 シナリオの中でどんな変化を経験するか
④態度 善人か悪人か、悲観主義者か楽観主義者か..
会話
会話は性格の関数である
①会話はストーリーを進展させる
②会話は読者や観客に事実を伝達する
③会話は性格を表現する
④会話は登場人物の関係を設定する 主人公の考え方を設定したら会話を使ってストーリーを進展させ、対立する考え方を作り、ドラマを盛りあげていくことができる
⑤会話は場面をつなぐ
サブテキスト
場面には現れない部分で何が起こっているか。考えや感情、判断はむしろ語られないものである
ex. アニーホール
アルビー:(壁の写真のほうへの身振り) 素晴らしいじゃないか。これには、そうだな、これは、うん、これはすぐれているんだ。
字幕: あなたは素晴らしい女性だ
アニー: 私、そのうち本格的な写真のコースを取りたいの
字幕:彼はたぶん、私のことを移り気な奴と思っている
アルビー: もちろん、写真は面白いよ。新しい芸術だよね。でも、なんていうかな、まだ、芸術的な基準が明らかになってないんじゃないかな
字幕: 彼女が裸になったらどんなだろう
フラッシュバックの使い方
ストーリーを前進させているか?映画は不可欠なものを明らかにするのに必要でない限り、現在を扱うもの
第1幕(発端〜プロットポイント1)
冒頭の場面は常に最も書きにくい。バックストーリーを書くことによって、1ページ目から最大限の劇的効果を引き出すことができる
俳優は場面に入る前に、自分がどこから来たのか、その場面の目的は何か、そしてその場面が終わるとき、どこへ行こうとしているのかを知っていなければならない
第2幕(ミッドポイント〜プロットポイント2)
前半と後半のそれぞれの劇的文脈、時間枠、ピンチの順に決定していく
ミッドポイントの前と後にピンチを作る
主人公は常に共感を持たれなければならない
葛藤に焦点を当てる。主人公の劇的欲求が分かっていればストーリーに必要な障害を作り出すことができる
主人公の考え方を描写し、それから対立する考え方を描写する ex. 主役を狙う女性、主役にふさわしくないと考える監督、それがストーリーに必要な葛藤を作り出す方法
第3幕(解決)
登場人物はシナリオの中で変わるのか?変わらないのか?

経験を効果的にドラマ化するためには、経験に含まれる”現実”を取り除かなければならない。「誰それが何をした」「それはどこで起こった」ではドラマとして価値のない薄っぺらなストーリーに終わってしまうから。
キャラクターを構成する要素→劇的欲求/考え方/態度/変化




読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: シナリオ
感想投稿日 : 2009年6月29日
本棚登録日 : 2009年6月29日

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