天使のはしご (5) (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社 (2003年2月1日発売)
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感想 : 6
5

はぐみさんに紹介された「永遠に恋物語が好きな女性に贈る小説」(^^)いくつになってもロマンスというものは胸をときめかせてくれる人生のスパイスだ(笑)姉妹の目の前で父親が母親を殺し、それ以来声を失ってしまった少女。姉とは離ればなれになり父方の祖母と共に暮らす少女が初めて外へ出たいと願ったのが、キックボクシングに励む想との出会いだった。一夜にして家庭も両親も失ってしまうという重すぎる傷を負った少女がこの先どう生きていくのか…彼女に救いと許しは訪れるのか…対象が小学生高学年からという児童文学だが、人として生きる普遍的なテーマを語る物語のように感じた。著者はかのキャンディキャンディの原作を書かれた方だそうだがなんか納得。(漫画はあらすじぐらいしか知らないけど)その後話は想が試合中の事故で亡くなり、その対戦相手、竜人との関わりが描かれる。敵役とも言える竜人とのやりとりで、少女は人を憎むこと,思いやる事,癒す事そして許す事を学んでいく。家族や学校との絆を取り戻し、人を理解しようとする姿勢が人生において何より大切なのだと気づく。途中で涙が止まらなくなるほど純粋な叫びと癒しにあふれた作品だった。人として大切な何かを思い出したい時、優しさと許しに満ちた青春の輝きに触れたい時にひっそりと読み返したい話だと思う。最初は児童書?少女の恋愛??と今の自分にはかけ離れた感覚になってしまったのではと半信半疑だったが、読めてよかったと心から思う。今度ブック○フで見かけたら買ってこようかな…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2009年4月5日
読了日 : 2009年4月26日
本棚登録日 : 2009年4月5日

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