ベーシックインカム

3.70
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本棚登録 : 167
レビュー : 32
著者 :
mapponさん  未設定  読み終わった 

良質な短編集。従来の作者の小説よりも感情の機微などの表現が素敵で小説がうまいなぁと感じる。惜しむらくは装丁。でかでかとSFミステリを標榜し、書店員のお勧めと粗筋が書いており下品に感じる。読んだときの驚きが少し半減するから文庫化の際には変えてほしい。恐らく理系分野出身ではないかという作者からの未来への期待の優しいメッセージを感じる。

言の葉の子ら、、、幼稚園の園児のちょっとした発言から隠された真実が分かるという、正統派の日常の謎。せっかくの大仕掛けがSFミステリとバレていることで台無しに。

存在しないゼロ、、、豪雪地帯に取り残された家族、父親だけが片腕のない死体。哲学的で法月さんみたいでよい。ただこれもSFのくくりを知らないほうが楽しめる。

もう一度、君と、、、VR怪談に没入する妻が突然失踪する話。これはすごい好きでした。真相までの期待感もあり、最終的にホロリとする良い話。

目に見えない愛情、、、盲目の娘が人工視覚手術を受けることになり、そこで見える真実とは。これ多重解決型バカミスでよいです。温かみのあるいい話なんだけど、仮説でちょっと笑ってしまった。

ベーシックインカム、、、研究所の盗難事件。これ、ベーシックインカムが事件に直接は関係していないのです。なぜこれを全体のタイトルにしたのだろう。正統派密室盗難物。登場人物が前の4作を書いたメタ設定かと思いきや、、、全体の伏線回収がなかなかよい。

レビュー投稿日
2020年4月2日
読了日
2020年4月2日
本棚登録日
2020年4月2日
3
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