それぞれの家庭環境に悩むユン、ジェイ、アゴンの3人が登場する1987年の台湾と、連続殺人鬼サックマンが逮捕された2015年のアメリカがオーバーラップする小説。作者は台湾出身らしいのですが、行ったこともない台湾のリアルが伝わってくる。ティーンエイジャーの友情と死の匂いのする小説ということでは、たまたま昨日読んだオーダーメイド殺人クラブとかぶるが、こっちのほうがめちゃくちゃ入り込めた。
犯罪小説としてもすこぶる面白いが、物語の途中でぐるっと世界が反転する仕掛けもあり、連続殺人鬼サックマンの少年殺しの動機の解明のシーンなど、ミステリとしても痺れる。ラストのカタルシスの余韻も含めて、やっぱり女の友情より男の友情ものだよなっていうのは、このご時世まずいのかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
推理小説
- 感想投稿日 : 2020年2月9日
- 読了日 : 2020年2月9日
- 本棚登録日 : 2020年2月9日
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