百発百中 狼は走れ豚は食え、人は昼から夢を見ろ

  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年9月25日発売)
3.50
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本棚登録 : 51
感想 : 14

まさに、爽快! !というに相応しい、ジジババが活躍する、頭脳派クライムアクション長編(!?)
作者ご当人の年齢に合わせてか、二村刑事、「ららら科学の子」の主人公、等々、作品の発表を追うごとに、主役の年季もようよう熟してきた矢作作品ですが、「傷だらけの天使」、「百発百中」ときて、メインキャラがロートレ主義のジジィ&ババァになっているにも拘らず、この面白さ。この格好良さ。
「傷だらけの天使」は、相棒がIT世代の申し子だったために、ネットやバーチャルワールドを使ったトリックがふんだんに盛り込まれた作品でしたが、「百発百中」は相棒はもとより、手下、アシスタントまで「アラ70」だ。舞台も都心の歌舞伎町ではなく、長野と山梨の真ん中の山奥。
でも、間違いなく新しい。面白い。購入してから一年間も醸造していた私はバカでした(笑)

かっこいいジジババと言えば、天藤真の「大誘拐」という傑作がありますが、秀と政の手際のよさは、あのおばあちゃんに通じるものがあります。
一方、ネクストワールド入居者の仲間たちの活躍は、田村由美の短編マンガ「きねづかん」の4人組を彷彿とさせます。
悪人退治のヒーローであり、かつ、目的のためなら法律も端折るアウトロー集団でもある、というところが、美味しいとこどりの所以でしょうか。

本当に、こんなおじいちゃんおばあちゃんたちばかりだったら、世の中の悲劇の2割は無くなると思うんですけれど……

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヤハギ穴
感想投稿日 : 2011年10月26日
読了日 : 2011年10月24日
本棚登録日 : 2010年9月26日

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