角川さん、安部達文訳で読了するも本の登録が見つからなかったので。く、クリスマスだからって読むもんじゃなかった!まだ無神学大全読んだ方が気分が晴れるっていうもの。
死にたい親と生きたい子供だなんてあんまりではないか!

2013年12月24日

読書状況 観終わった [2013年12月24日]
カテゴリ フランス

こ、これが小津安二郎か!という嬉しい驚き。文句をつける隙が!ない!
戦死した息子の不在の中、その悲劇が終わった後の何もない日常、平坦な日常が抒情とともに描かれる。しかし、悲劇ってなんなのかしら。

2013年12月23日

読書状況 観終わった [2013年12月23日]
カテゴリ 日本

「そしてこの、見捨てられた燃えるような十月のドーヴィルで、私は、空っぽの海を、海岸沿いのプロムナードの板張道をかすめて乱れ飛ぶカモメを、白い太陽を、そしてヴィスコンティ監督の映画『ヴェニスに死す』から逆光線にとったと思われそうな幾人かの人影を眺めていた。そして、私は、独り、やっと独りになって、狩猟でとれた獲物のようにぶらんと両手をデッキチェアの両脇に垂らしていた、孤独と、夢見る青春期に還って……人はこれらから決して去ってはならない、しかし他の人たち――地獄、天国――が絶えずそれらを見捨てることをあなたに強制するのだ。でもこの時、他の人たちは私と勝利をほこる秋の間をどうすることもできなかった」

「結局のところ、私に何ができたろう? 私をつねに魅了したこと、それは自分の人生を燃やし、お酒を飲み、くらくらすることだ。それにもしこのとるに足らぬ無償の遊びが私に気に入っているならそれでいいではないか、卑屈で、さもしい、残酷なわれらの時代に、すばらしい偶然によって(私はそれを大いに祝福する)それから逃れる手段を与えてくれたのだとしたら? ああ、ああ!」

「あなたは知っていますか? みんな誰でも、それがあなたの上司であろうとアパルトマンの管理人であろうと、あるいは、国民全体の責任を担っている気の毒な毛沢東もおそらく、みな、孤独を感じ、あなたと同様――ほとんど死以上に生きることを怖れているのだという――ことを? これらの常套句は、人間関係とよばれているところの関係においていつも忘却されているからこそ、ひどく嫌なものになってしまうのです。人は成功したいか、あるいは単に生き永らえたいのです」

「私があきらめているように見えるかもしれない、が、そうではないのだ。あきらめているのは他の人たちである。新聞やテレビがあきらめているのである。《お聞きなさい、善人たちよ、よくお聞きなさい。もうじき車の事故で何パーセント、喉頭癌で何パーセント、アルコールで何パーセント、哀れな老いで何パーセントが死にますよ。念を押しますが、雑誌などで事前に充分知らせておいたはずですよ》ただ私にとって、この諺は誤りであり、事前に知らせることは癒すことではないと思う。私はその反対であると思う。《お聞きなさい、善人たちよ、お聞きなさい。私を信じなさい。皆さんのうちの何パーセントが偉大な恋をするでしょう、何パーセントが自分の人生を理解し、何パーセントが他人を救助することができ、何パーセントが死にます(もちろん百パーセントが死ぬのだけれど)、ですが枕もとで誰かの眼ざしと涙に守られて死ぬのはこのうちの何パーセントです》これこそ、現世とこの惨めな人生に生の歓びをもたらしてくれるものなのだ。それは夢の背景に繰り広げられる浜辺でも快適な『地中海クラブ』でもなく友達仲間でもないのだ、それはもろくて貴重な何か、つまり、近頃人びとが故意に破壊するところのもの、キリスト教徒が《魂》とよんでいるものなのだ(無神論者もそうだが、別の言葉で表現している)。そしてこの心は、私たちが用心しなければ、いつか眼前に姿を現した時には、息も絶えだえになっていて、青あざだらけで許しを乞うことになるだろう……。その青あざは、おそらく当然の報いとしてできたものだろう」

2013年5月12日

読書状況 読み終わった [2013年5月12日]
カテゴリ フランス

「変なひとねえ、ずっと傘をさしてたのにさあ、いったいどうしてこんなにぐしょぐしょになるのよ、傘のさしかた知らないの」

「『しかもその生き物が番って増えて、いろんな種に分かれたり何やかんやしているうちに意識なんていうお化けが生まれちゃった。意識とか心とか論理とか、みんな怪異なお化けじゃない』」

「『俺は、面白いからみんなでああいうもの食えばいいと思うだけ。ほんとになあ、みんな我慢して我慢して、小さいプラスをチマチマ稼いでさ、せいぜいのところホルモン焼き食ってチュウハイ飲んで憂さを晴らしてさ、まあそんなものでしょう。人生そんなものと自分に言い聞かせて諦めてるだけでしょう。で、さもしい魂胆でキャバクラなんか通っても、もちろん女の子からはまともに相手にされなくて、金だけ毟られてさ、そういう惨めなことを我慢するのはもうやめようよってことなの。もう右肩上がりの時代なんて永久に戻ってこないし、第一、たとえ右肩上がりでも良いことなんか碌にないんだってことが、もうみんなにわかっちゃったわけじゃない。マジックマッシュルーム食って幸せになってた方がどんなにいいか』」

「『この世の花。それをいとおしむ気持ちってものがね。初めて湧くの。空っぽをどう愉しむか、虚空を踏みながらどうやって面白く生きるのかっていう、せめてものケアーだよ。こころくばりだよ』
『じゃあ、生きるのか、やっぱり』
『そう、生きる』」

「そうかそうか、燃えちまえと栩谷は思った。新宿駅も伊勢丹も『ドン・キホーテ』も都庁ビルも、映画館もホテルもコマ劇場も、何もかも燃えちまえ。娘の腿の方までとろとろと広がっているこの生暖かいものはひょっとしたら伊関の精液かという思いが掠め、しかしその直感は栩谷のペニスをいっそう硬くこわばらせるだけだった。汚穢の中に沈んでいけ底の底まで堕ちていけと自分に言い聞かせながら栩谷は少女の首の下に腕を回し、もう片方の手は少女の太股に押し当て白く細い躯を折り畳むようにして優しく抱きしめた。何か全身の皮膚がひどく過敏になっていてその過敏さはペニスの先端で煮凝るようにきわまり、それが少女の馥り立つ両腿の間の複雑に重なり合うようになった粘膜を掻き分け、ずいぶん潤っているようなのにみしみしと軋みながら少しずつ中に入ってゆくにつれ、そのかすかな軋みの一つ一つが脊髄に響くようにして伝わってきた。それから栩谷の記憶に炎が広がった」

読書状況 読み終わった
カテゴリ 日本

2014/5/17再読。


「『綺麗なことは綺麗だけれども、桃の木が一番美しく見えるのは、果実が熟してクリーム色の部分が赤く色づいて、それが小さな灯りのように木を飾る時なんです。黄金色の産毛に飾られた少女の膚のように、内側から輝いて見えるでしょう。触ると形而上学的な怪我をしそうです』と初老の男は静かに笑いながら答えた」

「『あなたが決して書かなかった部分ーーいうまでもなく、御存知とは思いますが、あなたの書いたのはほんの一部分で、書かれなかった部分のほうが圧倒的に多いのですがーーその、書かれなかった時間の連続性のなかで、ぼくは生きているのではないでしょうか。それにあなたはぼくのことを何も知らないし、ぼくを愛したことさえ、本当はないんでしょうにね』。こんなふうに彼はわたしに話したかもしれない。『あなたは、ぼくのことはわたしだ、とでも言うつもりですか』」

「初めて《被写体》に選んだのが、この崩れかかった時間の標本だったのだから、わたしはあらゆることを、はっきり覚えている。日の短い冬の日などは、墓参りの帰りにすっかり暗くなっていることがあって、そんな時には、一枚の板になって直立している壁の窓のなかに、風に吹かれて流れる紫色の雲と、雲を薔薇色の光で縁取る月と、見えがくれする金星がながめられた」

「わたしは、あらゆる物を、瞬間瞬間ごとに微かに変化する光によって繰り広げられる静止した事物の輝かしい沈黙を、それにむけられるわたしの視線を、すべて写真に写しとりたいと思った。強烈すぎる太陽の光線の反射のまぶしさが、その反射する物体そのものを輝きに包んで見えなくしてしまうことがあるが、そうした光の傷口のような空白も、わたしは写すだろう」

「その日の夕刻列車に乗ってから、もう二度と生きている彼女にあえないのだと考えて、ひろげた新聞のかげに顔を隠して泣いた。あの街を歩きまわって死んでしまった彼女の思い出のために酔いつぶれるべきだったろうか。そんな男の登場する映画を、彼女と一緒に見たこともあった。わたしは自分が彼女を激しく恋していることを唐突に理解する。列車が轟音をたてて鉄橋を通過し、黄昏の最後の淡い白さが夜のなかにのみこまれ、丸い桃色がかった月が昇りはじめる。

それを思い出した時、というより、その月を見た時、わたしは今自分が彼女と一緒に道を歩いていることに突然気づいて、ひどく狼狽した」

「なぜなら、母はわたしの覚えている限りいつも二階の南に面した障子越しに濾過されたほのかなみかん色の陽の射し込む部屋で寝ているか、階下の居間の藤椅子にくすんだ薔薇色の毛布で膝を覆って横たわっていたのだから。長い長い無限につづくかと思われる午睡の薄明――りんごの絞り汁のような色をした半透明でもの憂い微かに熱っぽい光――がわたしの母をいつでも取りまいていた。わたしは家の薄暗がりのなかをいつでもしのび足で歩きまわる。りんごの絞り汁のような甘酸っぱい午後の光のなかで、自分の手脚が同じ色に染まるのを見ながら、今自分は水のなかを泳いでいると思った」

「そうやって、虚ろに眼をさますたび、部屋の湿気と鋭く鼻を刺激するにおいを熱で腫れぼったくなっている皮膚全体で触知するが、それが一晩の間のことだったのか、一週間だったのか、一ヶ月だったのか、一年だったのかわからない。空虚で厭わしいどんよりとした空間が熱を広げ、熱のなかの眠りが時間を空間のなかに押し広げ、時空の境界のない薄明が、際限のない浸水を生ぬるく濡れた粘膜のように皮膚全体にこすりつけられる」

「東に面した窓のあるこの部屋は、午前中だけあふれるように光が差し込み、窓の外の運河の水に反射するゆらめく光が水のように氾濫して、水面の反射光のちらちら動く無数の光の斑――水面の波と運河の水の流れを忠実に映し出してい...

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  • 再読しました。

    再読了日:2012年11月7日

読書状況 読み終わった
カテゴリ 日本

「『あの人は私に、殻から出てこいとは言わなかった。暖かいところへ連れていこうとしてくれた。あの人は、とっくに腐った卵でも大事に温めてくれる人だから』
ドクターがまたバロットを押し返した。バロットは懸命にその手から逃れようとした。
『ごめんなさい、謝ります。あの人の言葉が聞きたいの。今度こそ約束を守るから。あの人を傷つけない。お願い、もうここにはいたくないの! あの人のいる所に行きたい!』」

「《恋人?》
 《うん。お互いそう呼ぶのがぴったりなんだ。一緒にいると優しい気持ちになれるから》」

「『かつてウフコックが言った。自分はいつか死ぬ。死を理解したとき、初めて自我を手に入れた気がしたと。彼の自己実現の欲求を、誰も止めることはできなかった』
フェイスマンが言った。呟くような口調だった。
『だが我々は、いわば役を仕込まれていない役者のようなものだ。君も私も、生を即興で演じねばならないという厳しい現実の中にいる。シナリオもなければ、何をすべきか耳打ちしてくれる演出家も存在しない。気づけば舞台に投げ出され――そしてこう言われる。生きろと。死ぬまで。それは野生だ。ただの社会的な野生動物だ。我々は、いつまでもそのような即興の社会に生きるべきではない。即興から人々を救う世界が必要なのだ。この楽園のように。それが文明の意義なのだよ』」

「『それが暴力の本質だ、ボイルド。好奇心こそが。対象を知り尽くしたい。自己の力を行使したい。味わえるもの全てを味わいたい。たとえそれが勝利感や義務感、無力感の代償、自己実現の手段、はたまた病的気質によるものだとしても、本質は変わらない。
 この世で好奇心ほど暴力的なものはあるまい。そして他ならぬ好奇心によって、人も動物も生きておる。そのことを知り、そのことに耐えられる者こそ人間と呼ぶべきだ。ボイルド、お前の人生において、お前の好奇心が――お前自身の力の興味が、どこへ向かっているか、本当にわかっているのか?』
 『俺はもう、俺が生み出す虚無にしか、興味がない』」

「『運を右回りにする努力を怠ってはいけないよ』
 《はい》
 『なに、難しいことじゃない。女らしさを磨くのと一緒さ』
 《どうすればいいんですか?》
 『いるべき場所、いるべき時間に、そこにいるようにしな。着るべき服、言うべき言葉、整えるべき髪型、身につけるべき指輪と一緒に。自分自身の声を、おろそかにせずに。女らしさは運と同じさ。運の使い方を知ってる女が、一番の女らしい女なんだ。そういう女に限って運は右に回るのさ』」

2012年10月14日

読書状況 読み終わった [2012年10月14日]
カテゴリ 日本

「ぼくは孤独だったことがない、とりわけ自分ひとりでいるときは。ぼくはどんなときでも、だれかにつきそわれているような気がした――ぼくは大きなチーズの(というのは世界のことになるだろう、特にあらたまって考えてみたことはないが)、小さなかけらのようなものだった。だが、自分だけで生きているのでないことはわかっていたし、いわばぼく自身を大きなチーズだと考えたことは一度もなかった。そのため、みじめだったり、ぐちをこぼしたかったり、泣きたい気持ちのときでさえ、ぼくは世界に共通な、普遍的なみじめさを味わっているような錯覚を覚えたものだ。ぼくのすすり泣くとき、全世界がすすり泣いている――と思ったのだ。だが、ぼくはめったに泣かなかった。たいていいつもしあわせで、よく笑い、楽しくやっていた。ぼくが楽しくやっていたのは、すぐに述べたように、まるきりどんなことにも執着しなかったからだ。物事がうまく行かないときには、ぼくに限らずどこでもうまく行ってないのだと信じて疑わなかった」

「十セント恵んでくれと言われれば五十セントくれてやり、一ドルを無心されれば五ドルくれてやった。いくらくれてやろうが屁とも思わなかった、あわれな奴らを拒絶するよりは、借りた金でもくれてやるほうが楽だったからだ。ともかくこれまで、これほどみじめったらしい連中の集まりは見たことがなかったし、もう二度と見たいと思わなかった。人間はどこでも貧しかった――昔から貧しかったし、今後も貧しさに変わりはないだろう。だが、おそのおそろしい貧困の底には火が燃えていた。おおむねほとんど目にもつかぬ小さな炎だったが、まぎれもなく火はそこに燃え、息を吹き付ける勇気さえあれば、大きく燃え上がらすこともできた。あまり甘やかすな、涙もろくなるな、仏ごころをだしすぎるな、とぼくは年じゅう言われていた。ぐらつくな! きびしくやれ! とのご忠告だ。くそっ、勝手にしやがれ! おれは気前よく、いいなりになってやり、許しと寛容と思いやりに徹してやるんだ――とぼくは腹の中で思った」

「実在の根源から感じるためには、憐みを超越せねばならない。《事実》で新しい天地を創ることはできない。およそこの世に《事実》などあろうはずがなく――あるのはただ、地上のあらゆる場所のあらゆる人間が、神の定めへとそれぞれの道を歩いているという事実だけである。遠い道を辿るものもあれば、近い道を行くものもある。だれもがそれぞれなりに運命を切り拓いており、親切と寛容と忍耐強さ以外、他人から得られるものはない」

「まい朝プラットフォームに立っていた阿呆なドアの開閉係、新聞に読みふけっているこれまた阿呆な乗客たち、そそり立つ新しい摩天楼群、その中で働きその中で死ぬための新しい墓場、眼下を行き交ういくつもの船、フォール・リバー汽船会社、オールバニー・デイ汽船会社、なぜおれは働きに出るのだろう? 今夜おれは何をしたものだろう? ぼくの横に横たわる暖かい女陰、はたしてこの拳骨を女の股倉にねじこめるものだろうか? ここを逃げ出し、カウボーイにでもなったものだろうか? アラスカへ行ってみるのだ、金鉱へ行くのだ、電車をおりて引き返すのだ、まだ死んではいけない。もう一日待つのだ、運が向いてくるかもしれないぞ、河よ、おれの命を奪うがいい、落ちる、落ちる、コルク抜きのようにらせん状に、頭と肩は泥の中、両脚だけが自由だ、魚たちがやってきて食いつくだろう、あすは新しい人生のはじまりだ、だがどこで? どこででもいい、なぜまたはじめるのだ? どこへ行こうが同じことなのだ、死、死が解決してくれる、だがまだ死ぬな、もう一日待つのだ、運が向いてくる、新しい顔、新しい友人、無数のチャンス、おまえはまだ若すぎる、おまえはふさぎこんでいるだけだ、まだ死んではいけない、もう一日待つがいい、運が向いて...

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2012年10月14日

読書状況 読み終わった [2012年10月14日]
カテゴリ アメリカ

「シゴルヒ 俺たちだって、あの世じゃ蛆虫に食われるぜ。あの世へいったらまず肉の大盤振舞をやる。蛆虫にただで食いたいだけ食われてやるさ。
 ルル あんたのお客の蛆虫さんはあまり腹いっぱい食べられないでしょうね。
 シゴルヒ まぁ、みてな、お前だって、死んじまやあ、お前の尊敬者はお前の屍体をそうありがたがりゃしないぞ。花も盛りのころは美わしのメルジーネとか何とかいわれようさ、でも死んだあとはどうだ?その肉は動物園の餌にもなりゃしないぞ。(立ちあがって)そんな肉を食らったら動物たちが胃痙攣をおこすってよ」

「シェーン くだらないおしゃべりはよしなさい!――恥知らずなことといったな?――上品を下品とすりかえてはいけない!――その恥じ知らずな動きに、ありがたがっていくらでも金を積むやつがいるんだよ。――あるやつはブラヴォーと叫び、別のやつは畜生という――でも君にとってはどちらも同じことだ! 君は、客席にいる良家の令嬢をいたたまれなくさせるときに一番勝ち誇った気持になるんだろう?!――君にそれ以外の人生の目的があったら言ってみたまえ?!――君にちょっとでも自尊心があったら、完全な舞踏家になんかになってはいられないぞ! 見ている人たちが君を見てぞっとするようになればなるほど、舞踏家として偉大になるってわけなんだからな!!」

「ルル 男らしくしっかりしなさいよ。――まあ自分の顔を眺めてごらんなさい。――良心のかけらも見当たらないわ。――どんな恥ずかしい事も平気でやる。――あなたは、自分を愛しているその娘さんを、冷酷非情に不幸につき落とすつもりね――世界の半分を征服する。――あなたのしたい放題をする――わたしと同じようにあなたもご存じなのよね。――つまり……
 シェーン 黙れ……
 ルル 自分が弱すぎて――わたしから離れられないことを……
 シェーン おお、おお、何て苦しいんだ!
 ルル わたしには見てるとととても気持がいいわ――口で説明できないくらい!」

「ルル ――わたしのせいで自殺した人が出たって、それでわたしの価値はさがりゃしないわ。――あなたはなぜわたしを妻にしたかよくご存じよ。わたしがなぜあなたを夫にしたかよく知っているように、――あなたは、親友の妻のあたしと不貞を働いて親友を欺したわ、でもあたしのことで自分を欺すことはうまくできないのね。――わたしのお蔭で人生の晩年を犠牲にしたとおっしゃるけど、わたしは、あなたに青春をすっかり捧げたのよ。そのほうがもっと大事なものだったわ。わたしは、世間の人からそう思われている人間以上のものになろうとは思わない。そして世間はわたしを、掛値なしのわたしと同じものだとみなしてくれたわ。――あなたはわたしに頭へ弾丸をぶちこめとお望みなのね。わたしはもう十六の小娘じゃないわ。でも自分の胸に弾丸をぶちこむには、まだ若すぎると思ってるわ!」

「ルル そんなところで、わたしのような女が幸せになるなんて、決してありえないわ。わたしが十五の娘のころなら、それでも我慢したかもしれないわね、あのころは、自分がいったい幸せになるなんてことがあるかしらって疑っていたんだもの。わたしはピストルを買って、夜なか、深い雪のなかを、はだしで橋を渡って緑地にいって、自殺しようとしたのよ。そのあと、ありがたいことに三月も病院に入ったわ、男の顔なんて全然見なかった。そのころわたしは毎晩毎晩、まさにわたしのためにこの世にいる男、わたしもその人のためにこの世にいる、そういう男の人の夢を見たわ。そのあと、またわたしが男たちの手にゆだねられたとき、わたしはもう馬鹿な娘っ子じゃなくなっていたわ。あれ以来わたしは、百歩はなれたところからでも、相手とわたしが、お互いにぴったりいく人であるかどうかすぐ分ってしまうの。そして自分がそれ...

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2012年10月14日

読書状況 読み終わった [2012年10月14日]
カテゴリ ドイツ

「ジュスティーヌに対するネッシムの愛情についてぼくはしばしば考えるのだが、そのたびにある怖れを感じないではいられない。これほど包容力の大きい、これほど毅然としたものがあるだろうか。それは一種の恍惚感をもって彼の不幸を彩っていた。聖者にこそありえても、恋人などにはあるとも思われなかった法悦の傷をもって彩っていた。しかし、ほんのわずかユーモアの感覚がありさえしたなら、あんなにも恐ろしい、すべてを呑みつくす苦しみから逃れることもできたろうに。批判するのはやさしい。それはぼくも知っている。知っている。」

「ジュスティーヌは真実を聞くのがきらいだった。彼女は片肘をついて向き直り、あのすばらしい苦しげな眼ざしをこちらに向け、長いあいだぼくの目を見つめていた。『ここには選ぶ自由なんてないの』 彼女はぼくがとても好きになっていたあのしゃがれ声で言った。『あなたはまるで選ぶ自由があるような話し方をしている。わたしたちは選択できるほど強くもないし、悪人でもない。これはみんななにか別の存在が決めた実験の一部。それがこの町なのか、わたしたちのなかの別な部分なのかはわからないけれど』」

「老人がかつてあれほど心を動かされた昔の恋文を投げ捨てて叫ぶあの一節まで。『私は悲しい心でバルコニーへ出て行く、この心の動きをまぎらせてくれるものを求めて。たとえ、私の愛するこの都会の街々の、また店々の、僅かな動きを見るだけのことであろうとも!』彼女も鎧戸を押し開いて暗いバルコニーに立ち、色とりどりに輝く都会をながめる。アジアの境界から吹いて来る夕暮れの微風を受け、一瞬、みずからの肉体を忘れ果てて。」

「彼女はポンペイウスの円柱の裏手にあるあの崩れ落ちた残骸のなかで、とつぜん、外壁の上や折れた円柱に腰をかけ、いましがた頭に浮んだばかりの考えに打たれて抑えがたい悲しみにひたるのだが、ぼくはそういう仕草が好きだった。『あなたはほんとうにそう信じてるの?』 彼女があまりにも強い悲しみをこめてそう言うので、ぼくは感動し、同時に面白くも思った。『どうして笑うの? あなたはいつもいちばんまじめなことを笑う。ああ、悲しいのがほんとじゃない?』」

「『つまるところ』と彼女が言ったのを思い出す。『これはセックスとはなんの関係もないの』この言葉は笑を誘ったが、そこには肉体そのものと肉体の使命とを切り離そうとする絶望的な試みがあるのにぼくは気がついた。こういうことは精神的な破産者が恋に落ちるといつでも起るのだと思う。そのときになって、ぼくは、ずっとまえに知っているべきだったことにやっと気がついた。つまりぼくたちの友情は、いわば、お互いを所有し合うところまで熟していたということにだ。」

「『はやく。私の邪魔をして。気が変わりそうになってしまうから。そんなもの二人で乗り越えましょうよ』」

「彼女は貧血で死ぬという妄想に苦しめられていた。なぜなら、誰の肉体も完全に所有することができないのだから。恋をしたいと思いながら、彼女は恋をわがものにできなかった。なぜなら彼女の満足感はもはや生きていない生活の薄暗い片隅から生ずるにすぎないのだから。」

「『今夜はいやにぼんやりしてるじゃないか。何かあったのかい』とポンバルに聞かれたとき、ぼくは死にゆくアムルの言葉をもって答えたいような気がした。『天が大地に落ちかかり、おれはそのあいだにはさまれて、針のめどから息をしているような感じがする』」

「そのころ、ジュスティーヌは、あの黄褐色のカーテンを引きまわした大きな書斎で、ヘラクレイトスの恐ろしい警句を日記に写していた。その日記がいま傍らにある。あるページに彼女はこう書いている。『心の望みと闘うことはむずかしい。心が手に入れようと望むものは、魂を犠牲にして購われるのだ』それから下の余...

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2012年9月22日

読書状況 読み終わった [2012年9月22日]
カテゴリ イギリス

「『それは、私を愛しているってこと?』
 少女は反射的にそう訊いた。口調は挑発的で、しかし内心は哀れっぽかった。悪罵を受けたのとは違う、ひどく馬鹿げた冗談に傷つく思いがあった。失っていたものの多さを思い出させられたからだし、与えられるものの少なさを身をもって知っていたからだ。
 男は微笑んだ。緑の目がきらきら光り、とても充実した人生の輝きを発していた。これほど輝くなら、自分も分け前にあずかれるのではと思わされる眼差しだった。」

「だが誰もいない所で呟くとき、それは無限の問いをふくむ別の呪文と化した。なぜ自分は何も持たないのか。なぜ多くの同じ年齢の少女たちがいる中で、自分はこのような人生を生きているのか。答えなどない。ただいっときの気だるい解放感を味わうための言葉。
 ただしこのときはどちらでもなかった。単純な答えを欲する自分がふいに顔を出すのを少女は感じた。そのもう一人の自分は、必死になって親が子供に言うような答えをほしがっていた。愛しているからだと。男でも神様でも、運命でも何でもいい。本当に愛されれば、それが最後の最後でなぜ自分なのかという無数の問いへの答えになるという空恐ろしい期待を抱かせられた。そんなことは初めてだった。」

「『人間の女性の多くは、ネズミが嫌いだ……』
 金色のネズミが、ちょっとうつむいた。」

「バロットの手の中に、銀色のリボルバー式の銃が出現していた。生まれて初めてそんなものを握り、これが答えなのかと思って、ひどい諦念に襲われた。」

「このときのバロットにはドクターの言葉の意味が理解できなかった。肩に乗ったウフコックと早く二人だけで話したかった。このネズミは、これまで誰も聞いてくれなかった自分の心を、信じられないくらいきちんと聞いてくれた。どんなカウンセラーでも適わない的確さで。まだまだ話したいことが沢山あった。理解してほしいことが無数にあった。今のバロットにはそれが全てだった。」

「『そうだ。09法案がなければ確実に処分されていた。俺は、社会的に有用であることを証明し続けることで、ようやく存在が許されている』
――だから、私を助けるの? 生きていていいって言ってもらうために?」

「――私の知ってる女の子たちみんな、それが手に入らずにクスリや男でぐちゃぐちゃになって生きてる。そんな目に合ってまで生きてる言い訳がほしいだけなのに。
 バロットは目を閉じた。そして手袋姿のウフコックに強く干渉した。
――私を愛して、ウフコック。
『いや……なんだって?』
 仰天するような声が返ってきた。バロットは左手も手袋にあて、強く干渉した。
――私に言い訳を与えて。あなたのためにしたいの。法廷にも立つし、やれと言われれば何でもする。だから、私を愛して。
『それは……家族みたいに?さっき君が話したプリンセスと支配人みたいな?』
――シェルは私を愛してると言った。だからあの人に従った。私、あなたみたいな人に愛されたい。
『ま……待て、待ってくれ。それは、解決になるのか? 君にとって?』
――私はあなたにとっていったい何なの?」

「『言葉にされることさえ嫌なんだ! なんというか、俺の人格を否定されたような気になる。今後、俺の尻尾についてはあらゆる面でほうっておいてくれ』」

「 これか、と思った。自分を支配する男たちが味わっていたものはこれだったのだ。
 この胸の焼けるような甘い思い。これをどうして自分も味わってはいけないのか。
 なぜ自分なのかという嘆きに満ちた問いが今こそ本当に裏返って答えをあらわしていた。そう。つまりは、これだったのだ。」

「こんな心のまま死にたくなかった。こんな自分のまま。だが声はそうなるべきだと告げていた。あのたわいない呪文さえ裏返っ...

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2012年9月18日

読書状況 読み終わった [2012年9月18日]
カテゴリ 日本

モームのストーリーテリングがうますぎて一気に読んでしまった。
ザ・強者。強者の理論を振りまきまくる人間全然好きじゃないけどここまで強いと美しい。

「それに、夫に戻ってほしいと言うのが愛情ゆえなのか、世間の噂を恐れるからなのか、その辺の判断もつきかねる。夫人の心は破れ、傷ついた。だが、その心の中で、裏切られた愛の苦しみが、傷ついた見栄と混じり合っているのではないかと思うと、私の心中も穏やかではなかった。人間性がいかに矛盾したものかを当時の私はまだ知らず、見栄など醜いだけのものと思っていた。誠実さにどれだけのポーズが含まれ、高貴にどれだけの野卑が含まれ、自堕落にどれだけの善良さが含まれているかを、私はまだ知らなかった」

「ストリックランドはにやりとして、『エイミーの馬鹿め』と言うと、一転、苦虫を噛み潰したような軽蔑の表情に変わった。『女ってのはそんなことしか考えつかんのか。愛・愛・愛! 逃げるのはいつもほかの女のためだと思ってやがる。おい、おれが女のためにパリくんだりまで逃げてくると思うか』」

「世の中に、他人にどう思われようと少しも気にしないと公言する人は多い。だが、そのほとんどは嘘だと思う。実際は、自分がきまぐれにやることなど世間は知らないし、知っても気にしないと高を括っているだけだ。それか、少数の取り巻きにちやほやされ、それを頼りに世間の大多数の意見に逆らってみているか、だ。たとえ世間的に非常識なことでも、それを常識だと言ってくれる仲間がいれば、強引に押し通すこともさほど難しくない。そして、そんなことができる自分をすばらしいとさえ思える。身に危険が及ばないところではいくらでも大胆になれる――その見本のようなものだ。だが、文明人の心の奥底には、実は他者に認められたいという強い願いがある。それは最も根深い本能と言えるかもしれない」

「絶えず傷つきながらも、相手に悪意を抱けない善人。毒蛇に何度咬まれてもその経験から学べず、咬み傷の痛みが治まると、また毒蛇をそっと胸元に抱き寄せる。その人生は、どたばた喜劇に仕立てた悲劇のようだ」

「『言いましょうか。きっと、数ヶ月間はこれっぽっちも頭に浮かばなかったでしょう。自由になった、これでようやく自分の魂が自分のものになった。そう喜んだでしょう。もう、天にも昇る心地だったかもしれません。ところが、です。突然、我慢できなくなります。ふと足元を見ると、天に昇ったどころか、ずっと泥の中を歩いていたことに気づきます。その泥の中を転げ回りたいという衝動が押し寄せます。たまらず、女を探します。粗野で、下品な女。思い切り下卑た女。目をそむけたくなるようなセックスを売り物にする女をね。そして、けだもののように襲いかかり、そのあと、目が見えなくなるほどの怒りの中で飲んだくれるんです』
 ストリックランドは身じろぎもせず、私をずっと見つめていた。私はその視線を受け止め、ゆっくりと言葉をつづけた。
『これから申し上げることは、ご本人にも不思議としか思えないでしょう。飲んだくれたあと、酔いからさめると常になく清らかな感じがします。肉体から解き放たれ、霊そのものとなったかのようで、手を伸ばせば美の実体に触れられそうです。そよ風とも、芽吹く木々とも、虹色に流れる川とも親しく会話できるような気がします。一言で言えば、神になった感じでしょうか。そのときの気持ちを私に話してくれませんか』」

「いや、ブランチに限らず、ほとんどの女性がそうだ。だが、実際には、どのような対象にもなびく受け身の感情にすぎない。言わば、どんな形状の木にも巻きつく蔓だ。身の安泰からもたらされる安心感。財産を持つことの誇り、望まれることの喜び、家庭を営むことの充足感が合わさった感情――そこにいかにも精神的価値があるかのように思い込...

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2012年6月4日

読書状況 読み終わった [2012年6月4日]
カテゴリ イギリス

原作?はピエール・ルイス『女と人形』
確かルイスの方は最後女を置き去りにするところで終わっていた気がするので、映画では異なる結末を描いたブニュエルの意図が阿呆なのでわからなかったです。
どういう解釈をすればいいのかしら?

欲望のあいまいな対象、私たちはなにを欲求しているのか知らん
肉体、快感、恍惚、支配、それとも魂と呼ばれる何か、純然たる幸福、満たされること、支配されること

あいまいでござる

読書状況 観終わった
カテゴリ フランス

大文字のLIFE。まさに生活と呼ばれうるもの全てが詰め込まれている。
野蛮なるリリシズム。
「そして、この書でわれわれにあたえられるものこそは血であり、肉である。飲み、食い、欲情し、情熱し、好奇する、それらは、われわれの最高の、もっとも隠微なる創造の根をつちかう単純な真実である」、とアナイス・ニンが書くように決して「誤れる原始主義」ではない人間中心主義。
うーん♡ルネッサンス!

「ぼくは諸君のために歌おうとしている。すこしは調子がはずれるかもしれないが、とにかく歌うつもりだ。諸君が泣きごとを言っているひまに、ぼくは歌う。諸君のきたならしい死骸の上で踊ってやる」

「ぼくのヴィラ・ボルゲエゼでの生活は、もうお終いになったようだ。よろしい、ぼくはこの原稿を手にしてどこかへ移ろう。どこへ行ったって物事は起こる。物事は絶えず起こっているのだ。ぼくの行くところには、どこでも、かならずドラマがあるらしい。ひとびとは虱に似ている――彼らはおれの皮膚の下へもぐりこんで、そこに身をかくしてしまう。血が出るまで掻きつづけるが、痒みが消える気づかいはない。どこへ行っても、ひとびとは生活の糧をつくっている。誰もがみな各自の悲劇をもっている。いま、それは血の中にある――不幸、倦怠、悲哀、自殺。あたりの空気は災厄と挫折と徒労とに色濃く染まっている。掻いて、掻いて、掻きむしって――皮膚がなくなるまで引っかく。だが、それがぼくにあたえる効果はすばらしい。落胆したり憂鬱になったりする代りに、ぼくはそれを享楽する。ぼくは、もっと、もっと多くの災厄を、もっと大きな災難を、もっと壮烈な失敗を、大声をあげて求めている。ぼくは全世界が狂ってしまえばいい、と願う。すべての人々が、からだを引っかいて死んでしまえばいい、と願う」

「情熱的に抱擁する――無数の眼、鼻、指、脚、酒壜、窓、財布、コーヒー皿が、ぼくたちを睨み付けているなかで、ぼくたちは、たがいの腕のなかで恍惚としていた。ぼくが彼女の側に腰をおろすと彼女はしゃべりだした――どっと溢れでることばの洪水だ。ヒステリーと倒錯症と癩病の狂暴な消耗性の徴候。ぼくは一言もきいていなかった。彼女は美しく、ぼくは彼女を愛し、そしていまぼくは幸福で死んでもいいと思っていたからだ」

「世界は腐りつつある。ばらばらに死にかけている。だが、この世界には、とどめの一撃が必要なのだ。木っ端みじんに吹き飛ばすことが必要なのだ。ぼくたちのうちの誰ひとり完全なものはいない。しかし、それでもぼくたちは、ぼくたちの内部に、諸大陸と、諸大陸のあいだの海と、空の鳥とをもっている。ぼくたちは、それを書こうとしているのだ――すでに死んではいるが、まだ埋葬はされていないところの、この世界の進化を。ぼくたちは時間の表面を泳いでいる。ほかの連中は、みな溺れてしまったか、溺れつつあるか、あるいはこれから溺れるだろう」

「何ものも彼女の魂のなかに食いこむものはない。何ものも呵責とはならない。倦怠! 彼女の感じる最悪のものといえば、せいぜいこれだ。たしかに、ぼくたちのいう満腹した日々はあったであろう。だが、それ以上のことはなかったのだ! 多くの場合たいがい彼女はそれを楽しんでいた――あるいは楽しんでいるという錯覚をあたえた。もちろん誰と一緒に寝たかということ――あるいは誰と満足したかということによって差別はある。しかし、かんじんなことは『男』だ。男! 彼女が切望するものは、それだった。彼女をくすぐり、彼女を恍惚にもだえさせることのできるもの、彼女の薔薇の茂みを両手でつかみ、うれしそうに、誇らしげに、いばって、結合の感じ、生命の感じを味わいながら、こすらせることのできるものを股のあいだに持っている男」

「シャンゼリゼエを歩きながら自分のまったくすばらしい...

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2012年6月3日

読書状況 読み終わった [2012年6月3日]
カテゴリ アメリカ

美しい。
動的なカメラワークがほぼなくKay Nielsenの絵本のような映画だった。
サヤト・ノヴァの詩を読みたいと思ったのに邦訳されてないとか、もう!

「わが生と魂は苦悩の中にある」

「幼い頃から君は賞賛の声を聞いた
  私とて美を称えるのは嬉しいのだ」

「闇が広がり
 歌だけが私とともにある
 だが私にはもう生きる希望はない
 死は間近だ」

「君は炎だ 君の服も 炎だ
 君は炎だ 君の服も 炎だ
 あなたは炎 あなたの服は黒い」

読書状況 観終わった
カテゴリ その他

トリコロールカラー、海、日差し、混沌、非論理性、理性

2010年12月14日

読書状況 観終わった [2010年12月14日]
カテゴリ フランス

見つけた。何を。永遠を。海と溶け合う太陽を

2010年12月14日

読書状況 観終わった [2010年12月14日]
カテゴリ フランス

そして私は、私自身の本当の喜びは何だろうかということに就て、ふと、思いつくようになった。私の本当の喜びは、あるときは鳥となって空をとび、あるときは魚となって沼の水底をくぐり、あるときは獣となって野を走ることではないだろうか。
私の本当の喜びは恋をすることではない。肉欲にふけることではない。ただ、恋につかれ、恋にうみ、肉欲につかれて、肉欲をいむことが常に必要なだけだ。
私は、肉欲自体が私の喜びではないことに気付いたことを、喜ぶべきか、悲しむべきか、信ずべきか、疑うべきか、迷った。

2010年11月25日

読書状況 読み終わった [2010年11月25日]
カテゴリ 日本

映画を見る前に友人数名から物語のあらすじを全て聞いてから観たから、あー悲劇かー落ちるわーと思って敬遠していたのだけど、
実際観てみると悲劇じゃなかった。
最初から最後まで、そしてしっかり完結しているラブストーリーなのだ。
wikiやらで狂気のベティを包むゾルグの優しい包容力!みたいなことが書いあった気がするけどそういうのではないと思う。

異常な愛といえるかもしれないけど本当にそうなのかしら。
正常な愛の方が異常じゃないかしらん。

サントラ欲しい。

2010年11月4日

読書状況 観終わった [2010年11月4日]
カテゴリ フランス

「『あんただって僕を捨てて、ほかの男たちが好きになるだろうよ』すると彼女は、自分には、決してそんなことはしない自信があるとはっきり言った。」

「どうして彼女はそうしたすべてを耐え忍んでいたのであろう? 彼女があまりにもものを重大に考えすぎ、くだらないことを気にするのをひなんした僕の躾の結果だろうか? 彼女はこれまでよりも幸福そうだった。だが、それは、何か異様な幸福で、彼女はそれに気詰りを感じているようだった。」

「だが、と僕は考えた。すべての人間が、自分の自由を恋愛の手に引き渡すところをみると、恋愛にはよほど大きな利益があるのに違いない、と。僕は早く、恋愛なしですますことができるほど、したがって自分の欲望を何一つ犠牲にしなくても済むほど強くなりたいと願っていた。同じ奴隷になるにしても、官能の奴隷になるよりは、愛情の奴隷になる方がまだましということを、当時僕は知らなかったのだった。」

「そう聞いて僕には自分がはっきりわかった。二ヶ月間ばらを楽しみたいという欲求が、残りの十カ月を僕にわすれさせていたのだ。そしてマンドルを選んだという事実は、僕たちの愛のはかなさのもう一つの証拠を僕に示していた。」


ただ、何かが虚しい。すごいな、とか、素敵だな、とか、愛しいな、っていうのは何故だかいつも長続きしなくて困る。

2009年11月13日

読書状況 読み終わった [2009年11月13日]
カテゴリ フランス

たんたんとした日常
ぼんやり一生がおくれたらなぁ

カテゴリ 日本

この瞬間に時間がとまればいいのにって思うこと
実際止まっても悲しいのですね
だからこそ
一瞬一瞬がすごく美しいのかも

カテゴリ イギリス

神様をしんじること。
とてもきれいな話でした

「この動物たちはみんな、生まれるのを待っている。生命は始まりのときにもどってしまったのだ。新しい始まりよ、子どもたち。前とはちがうの。離れちゃだめよ、子どもたち。楽しくなるようなお話をしてあげるから。」

「でもキティムはだめだ。
キティムをゆずるつもりはない。あたしがなぜあんなことを言ったのか、箱舟にいる悪魔が本当はどこにいるのかも説明するつもりはなかった。あたしはキティムをゆずらない。父さんにも。あたしがずっとキティムをかくまっていたのは、ケクゾランみたいに殺されるのを見るためじゃない。神さまはご自分のおもちゃの舟を四十日と四十夜しっかりつかまえていた。あたしはキティムをしっかりつかまえていよう。何があっても。」


「この人生でひとつ確かなことはね、いつか、どこかで自分に起きることは、ほかのだれかにまず起きているってこと。」

カテゴリ イギリス


アマゾン中古しかなくて定価より高くて買うの悩んでたのに紀伊国屋で普通に売ってるってどういうこと
すっごい綺麗!そして村田蓮爾の素晴らしいデザインとかクラウスとかの服の構造とか乗ってて大興奮
綺麗だよーすごいよー模写したくなる
村田様のデザインが好きな人は必見

カテゴリ 日本

ウサコッツが!す!き!

カテゴリ 日本
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