デミアン (岩波文庫 赤435-5)

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本棚登録 : 815
レビュー : 100
制作 : 実吉捷郎 
mamoさん  未設定  読み終わった 

なぜか、ヘッセの代表作の一つを読んでみる。

なぜか、と書いたけど、一応、自分のなかでの流れとしては、
・数年前、原始仏教の関心から、「ブッダ最後の旅」を読むついでに、ヘッセの「シッダールタ」を読んで、感動した
・サーバント・リーダーシップ論のなかでヘッセの「東方巡礼」が注目されている(文庫版がないため未読)
・ジョセフ・ジャウォースキーの「シンクロニシティ」のなかで、たしか「デミアン」への言及があった
ということなんだけど、やっぱり自分のなかでは、「ヘッセは青春期に読むもの」的な固定観念があって、読もうと思ってから、実際に読むまでには、時間がかかった。

第1次世界大戦後のヨーロッパの精神的な危機のなかで、「自分への探求こそ、人生の意味である」というメッセージは、大きな救いだったんだろうな、と思う。こういう自分の内面を探求していくことを通じて、実は広い世界を理解できる、という考え方は、U理論とか、最近の組織開発理論の流れともあっていて、「シンクロニシティ」で言及してあった必然性もよくわかった。

が、やっぱり、なんだか若者の「自分探し」の原典という感じもあって、なんだかなー、とも同時に思う。

むしろ、この世界って、ドイツのギムナジウムとかラテン語学校に、ある日、とても魅力的な転校生が入ってきて、その母親がまたすごく魅力的で、デモニッシュというところが、萩尾望都みたいで、彼女の原点は、ヘッセなんだなー、と思った。

あと、「オーメン」にでてくるデミアンもきっとここから命名されているんだろうね。

と、邪念ばかり頭をよぎり、とてもヨーロッパの精神的な危機を乗り越えたヘッセ中期の代表作、というふうには読めないのであった。

レビュー投稿日
2017年5月2日
読了日
2009年8月2日
本棚登録日
2017年5月2日
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