神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉 (講談社選書メチエ)

3.72
  • (24)
  • (21)
  • (49)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 276
レビュー : 26
著者 :
mamoさん  未設定  読み終わった 

カイエ・ソバージュも後半戦である。定常社会(中沢氏の言葉では対称性社会)、国家の誕生、資本主義の誕生と進んできた話は、一神教の誕生となる。

中沢氏の専門の宗教の話で、講義はいきなり宗教儀式でのトリップの話から始まる。そこから、現世人類の脳の話に展開しつつ、宗教論へ。

さまざまなスピリットから、一段高いところにあるスピリットがでてきて、それが神に移行していく。その過程で、対称性の破れが生じて、トポロジカルな転換が生じ、メビウス縫合型とトーラス型の神が出現する。そうだ。

とまあ、物理学とか、トポロジーの喩えを使った説明が分かりやすいかどうかは別として、その主張は、なるほど感は高い。というか、わりと、まっとうな話だと感じた。

で、いよいよ高いところにいる神とその他大勢の神からなる多神教から、一神教がなぜ生じるか、という肝心のところとなると、その説明には、拍子抜けしてしまう。

つまり、トポロジカルな転換が生じるのでなく、多神教的なものを抑圧することによって、一神教が生じるとのこと。

なーんだ。と思う訳であるが、「人間は完全には一神教にはなりえない。なぜなら脳がそういうふうにはできてないから。(また、完全に無宗教にもなれない。脳がそうできてないから。)キリスト教も三位一体の考え方を入れて、多神教性を取り入れる事によって、発展した。そして、資本主義も三位一体とパラレルな構造である」という主張には、一定の納得感があった。

カイエ・ソバージュもあと、1冊。これまでの議論を踏まえて、どういう展開になるのか。楽しみである。

レビュー投稿日
2017年5月2日
読了日
2009年2月12日
本棚登録日
2017年5月2日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉 (講...』のレビューをもっとみる

『神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉 (講談社選書メチエ)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする