リーダーシップ論 今何をすべきか (Diamond Harvard Business 名著論文シリーズ)

  • ダイヤモンド社 (1999年12月2日発売)
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感想 : 33
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リーダーシップ論の大家、ジョン・コッターのハーバードビジネスレビュー論文を集めたもの。前から読もうと思っていたのだが、出版元品切れだったりして、そのうちコッターのほかの本を読んでいるうちに、「まあいいかー」ということになって、読まずにいた。(表紙のコッターの強面の顔もなんか、経営学の大家!これぞリーダーシップ!という感じで、やや読む気がそがれる面もあった。)

久しぶりに、amazonで見てみたら、入手可能になっている、とともに古書が安くでていたので、古書で読んでみる。

年代は、結構、ばらつきのある6つの論文であるが、主旨は一貫している。とともに、リーダーシップというか、変革の効果的な進め方について、さまざまな角度から論じてある。内容的には、他の所で読んだものとダブりがあるのだが、こうして一気に読むとなかなか面白いな。

先日、野中郁次郎先生の講演を聞いていて、ときにはマキャベリズム、政治的なものとつきあいながら、変革を進める必要を言及しているところが、印象的だった。

この本は、まさにそういうマキャベリズム的なものを包含するリーダーシップ論だな。

といっても、やることはコミュニケーションだったり、ネットワークづくりだったり、人をモティベートしたり、といったことが中心で、結果的には、センゲ一派とあまり違わないのかもしれない。

でも、センゲなどが注目するサーバント・リーダーシップ的なものとはやっぱり異なるわけで、目的のための手段という割り切りがある意味気持ちよい。

一時、こういう目的/手段的なアプローチから、自分の関心は遠ざかっていて、善意のプロセス論みたいなところを中心としていたのだが、それらを何らかの形で統合する必要を感じつつある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年5月2日
読了日 : 2009年8月13日
本棚登録日 : 2017年5月2日

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