風と共に去りぬ 第4巻 (新潮文庫)

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レビュー : 22
マリモさん 戦争   読み終わった 

タラに課された法外な追徴課税を支払えなければ、タラは乗っ取られてしまう。
金策のためにアトランタにやってきて、レットに捨て身でぶつかったスカーレットだが、思惑を見破られ、プライドはズタボロに。進退窮まるところに現れた妹の婚約者フランクを騙して求婚させ、電撃結婚するところから始まる。

朝の通勤電車なんて辛いだけでろくなものではないけれど、こんな本がお供なら、まだ着かないでほしいと思う。体ごとアトランタへ持って行かれる。
序盤のスカーレットとレットとの緊張感ある問答には痺れっぱなし。

牢屋から出てきたレットは、すぐさまスカーレットの元へ行く。スカーレットは夫の商店の帳簿を見て、ツケ払いがそのままになっていることに頭を痛めていた。
レットはスカーレットのことはなんでもお見通しだ。相変わらずアシュリを想い続けるスカーレットに、皮肉混じりに執拗にアシュリを貶し、現実を突きつけるのだが、そこには"いつまでアシュリを想っているんだ、彼は君に合う男ではない、いい加減目を覚ませ"という苛立ちが滲み出ている。
レットは、世間体も煩わしいしきたりも無視し、どんなに淑女の道から外れるものであっても、我が道を逞しく切り開くスカーレットから目が離せない。

"「たまらないね。腹黒いことを考えているきみは格別だな。そのえくぼを見られるなら、ラバを一ダース買ってもう一頭あげてもいいぐらいだよ、お望みとあらば」"

女性が男のように経営をすることはあり得なかった時代。作中で、黒人に投票権を与える是非について論争が起きるのだが、女性に投票権を与えることは誰も思いつきもしない。確固たる男尊女卑のあったのだ。
今巻では、スカーレットが製材所を買い取り、自らその経営に乗り出していく。タラでの施しを受ける生活を終わらせて北部へ行こうとするアシュリを無理に引き留め、自分の製材所で働かせる。しかしアシュリに商才も経営能力もなく、赤字が続き、どんどん暗く落ち込んでいくのだ。
スカーレットのアシュリへの執着は怖いものがあって、レットじゃないけど、そろそろ気づいて、彼を解放したらと言いたくなってしまう。

さて、暴走する一部の解放奴隷らにより治安が悪化していく中、一人で馬車を走らせていたスカーレットは事件に遭遇する。その恐ろしい事件が、フランクやアシュリも巻き込む大騒動へとなって…。

昔読んだとき、スカーレットの二番目の夫のフランクのことは冴えない中年男としか思ってなくて、あまり印象にも残っていなかった。
でも実は、スカーレットの最初の夫のチャールズと同じく、優しく誠実な人だったのだなぁと。スカーレットとでなければ、普通に穏やかな幸せな家庭が築けたのだろうけれど、スカーレットの激しい炎のような性格や破天荒な行動に翻弄され、戸惑い、それでも彼女を守ろうと戦った。
全然頼りなくなんてなかったんだな。。フランクの波乱の晩年を思うと切なくなった。

レビュー投稿日
2021年4月8日
読了日
2021年4月8日
本棚登録日
2021年4月8日
32
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