ソロモンの偽証 第I部 事件

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本棚登録 : 5300
レビュー : 734
著者 :
マリモさん ミステリー   読み終わった 

最近、続々と予約してた本が届くんだけど、その中でも異彩を放ったのがこちら。
噂に違わず、ぶ、分厚い!!重い!!圧巻!!
でも740頁という分量を感じさせない宮部節で、寝不足なりながら2日で読了。

時はバブル絶頂期の1990年。
ホワイトクリスマスだった夜が明けた朝、中学校で生徒の死体が発見される。
クラスでも浮いて不登校だった少年の死は、校舎からの飛び降り自殺と
判断されるも、学年の問題児たちが殺したのを目撃したという告発状が、
学校を揺るがし、事態を大きく変えることになる。
そしてまるで呪われているかのように立て続けに起こる事件。
この学校では一体何が起きているのか。
「自分たちで真実を見つけ出します」学年の優等生、藤野涼子が立ち上がる。

少年の遺族、そのクラスメイトに親、校長や担任その他の教師、少年担当の刑事、
そしてマスコミ…たくさんの人の視点から見る、ひとりの少年の死。
この事件を動かすのはひとりひとりの恨み、妬み、疑念、そして悪意。
大出らにコンプレックスのニキビでいじめられ、僻み捻れてしまった樹理と、
夫との別居に追い詰められ、隣に住む森内先生に完全なる逆恨みをする垣内は、
もはや何も言えないような別格の悪意に染まっているとして、
まるで学校をあざ笑うかのように亡くなった柏木卓也や、
正義を振りかざして独善に陥っている茂木の闇も、相当深いんじゃないかと思う。

対して、決して事なかれではなく生徒のこともよく見ていた津崎校長や、
好き嫌いはあれど、まだまだ新米教師として未来のあった森内先生や、
いつもにこにこと優しく、悪意と最も遠いところにいた松子ら、
巻き込まれ傷つけられ追い込まれていった人たちが哀れで。

立ち上がった涼子は、これからどうするんだろう?
もう子供じゃない、でもまだ大人とは見てもらえない、微妙な年齢の中学生。
何を考え、どのように感じ、どうやって真実を見つけ出していくんだろう。
第1部では、てんてこ舞いする大人たちの「脇役」ともいえた中学生の彼らの、
これからの奮闘、成長に期待。

宮部さんの本って、面白いんだけど最後がイマイチ、で☆3とか☆4に
なっちゃうことが多いんだけど,第1巻はドキドキっぷりに☆5にした。
このままの勢いで最後まで読めるといいな~と思うけど、読んでから
2巻を予約したので、続きはいつになるのやら?

レビュー投稿日
2013年7月2日
読了日
2013年7月2日
本棚登録日
2013年7月2日
15
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