空飛ぶ広報室

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本棚登録 : 10043
レビュー : 1231
著者 :
マリモさん 人間模様 日常 仕事   読み終わった 

ブルーのパイロットになりたい。
その子どもの頃からの夢を追い続け、掴みかけたと思ったところで、
不幸にも巻き込まれてしまった事故。
足を骨折し、パイロットの夢を断たれ、広報室への異動となった空井。
空井を待ち受けていたのは、広報室の濃い面々、そして強烈な報道関係者のリカだった。
時にいわれなき批判や非難の対象ともなる自衛隊という組織。
航空自衛隊が社会に認知され、正しく理解してもらうために、空井の仕事が始まる。

ドラマ化されて話題のこちら、ようやく読めました!
有川さんと自衛隊。いつもの組み合わせだけれど、広報室からみた社会、
メディア、そして自衛隊というのは新鮮で、考えることが多くあった。
最初、噛みつかんばかりだったリカには、嫌悪感を抱いたものだけれど、
なんだかだんだん可愛くなっていき…
ベタ甘突入?と思ったら、今回は最後まで少し控え目な甘さでした(笑)。

一方的で断定的なメディアの傲慢さやら偏向っぷりも辛辣に描きつつ、
でもこんな風にわかりあえたらなぁという目指すべきところも織り込んであって、
有川さんの報道に対する内なる提言、少しは報道側に伝わるといいなと思った。

「あの日の松島」まで読んで思い出した。以前、台湾の友人と話していたときのこと。
数年前に台北で大きな水害があって、1階は水浸し、水がひくまで外にも出られず、
ボートで移動しないといけなかったらしい。
「大変だったね、水とか食糧なんかはどうしたの?」
と聞くと、
「大変だったけど、台湾には軍があるから、水も食糧も配ってくれて、大丈夫だったよ。」
そういう彼女の顔は少し誇らしげでもあり、確かな信頼が伝わってきて。

日本にだって、災害のときには助けてくれる自衛隊がいる。
でも思い返せば、まともに自衛隊に関する教育を受けたことなんてない。
どんな仕事なのか、どういう活動をしているのか、どこにどのようにあるのか。
日本で、自衛隊について話すときに、何となくつきまとう影。
この正体は一体なんなんだろうと思う。
声高に批判する人は、本当に自衛隊のこと、そこで働く人を知った上でのことなんだろうか。
自分のこと、家族のことを二の次に、有事の際に救援してくれる人たちがいる。
私たちはもっと、その存在を知って、そのうえで信頼関係を築いていくべきなんだろう。

「大変だったよ。でも日本には自衛隊がいるからね。」
日本人も、笑顔で誇りを持って、外国の友人にそう言えるようになれたらいいなと思うし、
私もそうありたいと思う。

レビュー投稿日
2013年7月2日
読了日
2013年6月30日
本棚登録日
2013年6月30日
20
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『空飛ぶ広報室』のレビューへのコメント

HNGSKさん (2013年7月2日)

いなぴょんの肩にもたれて「俺は足りてたんだよ!!」という空井さんに泣けました。
有川さんの作品に出会って、自衛隊についてよく知らなくては、と思う気持ちが深まりましたね。

マリモさん (2013年7月2日)

ayakoo80000さん♪

こんにちは!よーやく読めましたよ~、ayakooさんのレビューでコメントしたのがずいぶん前でしたよね。
空井くんの無念は計り知れないけれど、広報で居場所を見つけて羽ばたく姿がまぶしくて。
他にも皆、自衛官ってほんとにこんなにかっこいいの~!?というくらいかっこよかったですねぇ。

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