黒猫王子の喫茶店 渡る世間は猫ばかり (2) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2017年10月25日発売)
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本棚登録 : 222
感想 : 17
4

シリーズ2作目。
前作は、たまにクスッと笑え、たまにポウの鋭い一言にドキッとさせられたけれど、今作は笑って泣ける作品に進化していた。

相変わらず猫たちの会話がちょっとズレてて面白い。でも、それ以上に子どもの幸せを願う親の気持ちが溢れている。
自立した息子、家出した娘を想う親たちの気持ちを、傍にいる猫たちはちゃんと見ている。そして猫たちは胡桃に助けを求めてやって来る。そんな胡桃自身にも、将来を案じ心配してくれる両親がいる。
子を想う親の気持ちは分かるけれど、やっぱりいつかは巣立っていくもの。
十年後も二十年後も今の続きでしかない。今を犠牲にした将来が幸せなはずがない、という胡桃の母の言葉が印象的だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・その他
感想投稿日 : 2019年9月13日
読了日 : 2019年9月13日
本棚登録日 : 2019年9月12日

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