ことり

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本棚登録 : 1798
レビュー : 296
著者 :
シャムさん    読み終わった 

親や他人とは会話ができないけれど小鳥のさえずりはよく理解する兄、
そして彼の言葉をただ一人世の中でわかる弟。

その兄弟と小鳥たちの物語なのだけど、
最初から最後まで静謐で、
ほんのり死の香りが漂う小川さんらしい世界だった。

これだけ物や情報に溢れた世界で、
人間ここまで無欲に生きていけるものなのだろうか・・・。

現実に置き換えると異質で気味の悪ささえ覚えるかもしれない。
しかし物語として読むこの人たちは本当に美しい。

美しすぎてかわいそうに思う。
もっと幸せになっていい、もっと報われていいと思うけど、
彼らは十分幸せだったのかもしれないとも思う。

怖い事は何も起きてはいないのだけど、
何か怖い事が起きそうで落ち着かなかったのは、
常に死がまとわりついている感じがしていたからでしょうか・・・。

小川さんの世界観といえばそうなのですが、
その中でも本当に美しくてせつなくて怖い本だと思います。

レビュー投稿日
2016年7月9日
読了日
2016年7月7日
本棚登録日
2016年2月20日
2
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