"The Man From St. Petersburg"に続き彼の作品を購入。第2次世界大戦中のドイツ軍のスパイがイギリス国内で暗躍し、機密情報をドイツにもたらそうとするまでの出来事が描写されるのだが、登場人物一人ひとりの克明な描写、感情、景色、食からベッドシーンに至るまで、まるで映画でも見ているかのようにリアルに描ききり、読むもの(見るもの?)を全く飽きさせない氏の力量に脱帽である。
イギリス英語はなじみがなく、私の単語力では詳細な部分までは追いきれていないのだろうが、それを差し引いても、筋は明快であり、登場人物もそれほど多くないため、ぐいぐい読んでいける。
イギリスはスパイ小説のメッカと呼ばれるが、一スパイの人生に絡んでくるあらゆる人々の「物語」が壮大に描かれており、おまけに最後には意外な登場人物同士の人生における「結びつき」も垣間見られる。
まさに「読書は至福である」と思わせてくれる贅沢な一品。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年7月31日
- 読了日 : 2010年7月20日
- 本棚登録日 : 2011年7月31日
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