ボトルネック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年9月29日発売)
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本棚登録 : 13735
感想 : 1481
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パラレルワールドミステリー
しかし、重く、辛く、自己否定の物語。読後感にいやな感じが残ります。
気分が落ち込んでいる時にこの本を読んではいけません(笑)

ストーリとしては、亡くなった恋人を追悼するために訪れた東尋坊で、主人公はパラレルワールドに陥ります。
そのパラレルワールドでは、自分は生まれておらず、その代わりに姉が存在する世界。
無邪気に自分の世界と姉の世界の違いを確認し始めましたが、徐々にその違いに驚愕していきます。
同じような事件、事象に対して、自分がとった対処と姉がとってきた対処。その対処の違いがこんなにも違っていて、姉の世界の方が良い結果を生んでいる。
自分は生まれない方が良かったのか。
自分自身がその世界のボトルネックと気が付いてしまった時の残酷な現実。
これでもかと、その違いを見せつけられた主人公は絶望の気持ちを持った途端、元の世界に戻されます。
元の世界で主人公が最後に取った行動は?
という展開。
そして、その最後の行動は、記載されていません。
私達読者に解釈が委ねられています。
希望か絶望か...
難しい物語となっています。

なんとも読後感が良くありません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2018年6月23日
読了日 : 2018年6月23日
本棚登録日 : 2018年6月23日

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コメント 3件

5552さんのコメント
2018/06/23

こんにちは(^-^)
はじめまして。5552と申します。

この作品、主人公の性格に私自身を重ねてしまい、読了した後胃が痛くなりました。
ラストの解釈は人によって様々みたいですね。
米澤さん屈指の青春ものだと思います。

>気分の悪いときにこの本を読んではいけません(笑)
確かに、ですね(笑)

5552さんのコメント
2018/06/23

‘落ち込んでいる時に’ですね。
引用間違い失礼しました。

masatoさんのコメント
2018/06/23

5552さん、コメントありがとうございます!
誰でもが少なからず持っている自己否定感を顕著に表していて辛い物語でした!

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