銀漢の賦 (文春文庫)

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本棚登録 : 756
レビュー : 94
著者 :
masatoさん 時代小説   読み終わった 

清々しい気持ちになれる物語。
第十四回松本清張受賞作。

身分の違う三人の友情の物語です。
月ヶ瀬半の郡方の日下部源五、名家老と謳われ幕閣まで名声が届いている松浦将監、数十年前に処刑された農民の十蔵。
この三人の幼少のころからの付き合い、思い、志が熱く感じられる物語でした。

そして、本書のタイトル「銀漢」は三人の男たちの友情のシンボルとして扱われています。
ちなみに「銀漢」は天の川のことで、本書の表表紙に3人と一緒に描かれていますが、本書の中では、さらに別なメッセージとしても語られています。

ストーリとしては、幼いころから仲良く、支えあっていた3人。
大人になると、十蔵は農民一揆を指導する立場に。
一方、その一揆を鎮圧し、その勢いで、父親の仇を追い落とした将監。その功績が認められ、藩の実権を握るようになりますが、十蔵は処刑されることに。
十蔵の犠牲の上で築き上げられた「名家老」の名声。
十蔵を踏み台にしたことから、源五は将監と絶縁状態になります。しかし、源五は余命1年と言われた将監に再び力を貸すことになります。
その余命を藩の安泰を実現するために使おうとする将監は脱藩して、江戸に向かう事へ。その脱藩に手を貸す源五。
将監は無事脱藩して、江戸にたどり着き、藩を救う事ができるのか?
藩からの刺客に対峙する源五の剣の技が光ります。
将監の藩を思う志を十蔵の友情と源五の友情が支えます。
脱藩を計画している時に源五が語った言葉
「十蔵は、お主の友だったのだ」
そして、脱藩時の刺客との戦いの中で、将監が語った言葉。
「夕斎は失脚した時、ただ一人だけだった。しかし、わしには友がいた」

三人の熱き友情の物語でした。
お勧め!

レビュー投稿日
2018年12月22日
読了日
2018年12月22日
本棚登録日
2018年12月22日
2
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