東電OL殺人事件をモチーフとした物語。
すっかり忘却の彼方に追いやられた東電OL殺人事件を調べてしまった。ほぼ同じプロットなのですね。
本作のストーリでは、夜な夜な円山町で売春していたエリート女子社員がネパール人が住むアパートで殺されます。
なぜ、彼女が殺されたのか?
その裏に潜むものは何か?
といった形で刑事達が事件の真相を追いかけます。
しかし、これが淡々としていて、大きな山場を感じないまま、捜査が進めば進むほど、さまざまな事象がでてきて、どうなる事やらっていう展開です。
不法滞在ネパール人、密教の様なヨガの世界、薬物、政財界スキャンダルとドンドン話が大きくなっていきます。
そして、本書のタイトル通り、ダブルフェイスということで、本書では女性の2面性を被害者だけでなく、被害者同様の二重生活を送る女性や、ストーカに狙われる女性からあぶりだしています。
んで、結局、事件の真犯人、真相は?というと、明確な記述を避けていて、最後のストーカのドタバタで、うやむやな感じで終わっています。
殺されたOLがマネーロンダリングに絡んでいたのか(推理上はYES),どうやって、殺しの指示を出したのか、そして、その人物達は最後どうなるのか、が描かれておらず、実行犯に絡むところの逮捕で終わってしまって、なんとも消化不良です。
ま、本書では、殺人事件の犯人がどうとかいうことではなく、夜と昼の顔を持つ女性、さらには、男たちに負けない女性像について語りたかったのだからしょうがないかとも思います。
ということで、かなり多くのことを詰め込みすぎてて、消化不良な印象です。
エンターテイメント性にも欠ける、スッキリしない物語でした。
- 感想投稿日 : 2018年11月25日
- 読了日 : 2018年11月25日
- 本棚登録日 : 2018年11月25日
みんなの感想をみる