著者の講演を聴いてしばらくしてから購入。「白洲次郎本の作者」が「日本を元気にしたくて書いた」という本人の語り口は、弁が立ち、軽くなくむしろまじめで好印象だった。
クライマックスはやはりサンフランシスコ講和条約。全体をとおして平坦な文体で、豊富な取材量をうかがわせる内容ながら、素直に読み進めていける。功罪論はいろいろだが、戦後間もない時期に5回も総理大臣に任命されたのは、「彼しかいない」という事情や期待、ひねくれた性格ながらも好かれた人柄があった証拠だったのではと感じた。
読んだのはちょうど麻生総理が追い込まれていたころだったので、そのお爺さんの生い立ちを深く知るタイミングだった。しんどいながらも、孫として退くわけにはいかないと悲壮な決意だっただろうな、と同情してしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年2月15日
- 読了日 : 2010年1月30日
- 本棚登録日 : 2010年1月30日
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