再読

2014年10月18日

読書状況 読み終わった [2014年10月18日]
カテゴリ 人間機械論

朝日新聞の「ゼロ年代の50冊」、堂々の第1位。
(2位以下の中では、現在刊行中の「完訳ファーブル昆虫記」を是非読んでみたいのだが、
それ以外は、食指が動くものがあまりない・・・。
裏を返せば、ほとんど読んでないということ(爆))
 
話は、著者の知人でニューギニア人の問題提起から始まる。
「白人はたくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、
私たちニューギニア人は自分たちのものといえるものがほとんどない。
それはなぜだろうか?」

その要因が「銃・病原菌・鉄」という書名に集約されているわけだが、
それだけではない。

人類誕生から現在に至るまで、動植物をはじめとする自然環境が、
人類に対してどのような形で影響を与えてきたのか、
その影響に対して人間がどう適合してきたのか、
という歴史・・・要因と結果の物語でもある。

詳細は読んでいただくことにして、目を引いた一文を引用する。

漢字の話。

本書の中で、中国の特異性が議論されている。
それは、
文字、火薬、羅針盤といった技術発祥の地である中国、
という面と、
あれだけの広大な面積にもかかわらわらず、統一国家が成立している中国、
という面。(cf.同じ面積にヨーロッパは何カ国ひしめいているのだろうか・・・)

そして、日本も中国から多くの影響を受けている。
その影響の一つが漢字であるわけだけれど、以下、筆者の主張。

「日本は、日本語の話し言葉を表すには問題がある中国発祥の文字の使用を
いまだにやめようとしていない。
朝鮮半島において、扱いにくい中国伝来の文字にかわって、
独自の素晴らしいハングル文字が使われるようになったのは、最近の話である。」

なるほどなぁと思ったのは、西洋から見た「進化」観というのは、
恐らくこういうものだろう、ということ。
アルファベットに慣れ親しんだ人から見ると、
確かに、ハングルの方がシステマティックで分かりやすいのでしょう。
(嫌韓とは関係ありません。念のため)

個人的には、最近、
想う と 思う(Omou)
とか、
合う と 会う と 逢う と 遭う(Au)
の使い分けに日本語を母国語とする喜びを味わっているのだが。

2014年3月16日

読書状況 読み終わった [2014年3月16日]

2013年上半期の僕が読んだ中では第1位(出版は2005年)。

ハイゼンベルクは「量子的な領域においては位置と運動量は同時に規定できない」という不等式を提唱し、それが広く認められていたが、2003年に小澤正直教授によってその不等式の修正が提唱され、昨年の2012年にそれが実験的に裏付けられた。

この本は、量子力学の創成期、ハイゼンベルクの不等式が確立する経過、そして小沢教授がその修正を提唱するまでが書いてある。
実は小沢教授の話はちょっとしか書いていない。
それでも、そこまでの課程が非常に丁寧に描かれていて、僕としては好感を持った。

この本を読んで何より思ったこと。

「アインシュタインてやっぱり凄いんだなぁ」

ランダウという有名な物理学者がいて…物理学者としてだけではなくて、辛辣な批判屋として…彼が言うには、アインシュタインは0.5流なんだそうだ。二流…じゃなくて、その上の一流…でもなくて、その上の0.5流。しかも、それぞれの数値の開きは対数関数的なんだとか。(ちなみに、他のランダウが言う一流はボーア、ディラック、ファインマン)

閑話休題。

アインシュタインと量子力学といえば、最後まで量子力学に抵抗し、最後の捨て台詞として「神様はサイコロを振らない」とつぶやいてとぼとぼと退場して行った、というイメージがあったのだけれど、そんなイメージをこの本は払拭してくれました。

アインシュタインも、量子力学の確立に貢献した一人である。
それは、アインシュタインが批判的な立場から量子力学における問題点を提起し、それに対する回答を量子力学を支持する人が必死になって考える、ということを繰り返して、どんどんブラッシュアップされていく、という意味においてです。

その中で、アインシュタイン(とその他2名)が提起した量子力学の問題点の一つが、最近まで解決されずにいた「EPRのパラドックス」であり、小沢教授の提唱する不等式により、矛盾が解消された、という話。

是非御一読を。

2013年6月16日

読書状況 読み終わった [2013年6月16日]
カテゴリ 科学

物事のあやを絡めながら史実を積み重ねていく、というスタイルは僕にはとても読みやすかったし、面白かった。読み始めてから2ヶ月半。この辺の歴史の知識はほぼゼロだったからしょうがないか…だから却って印象に残ったから良しとしよう。

2012年9月1日

読書状況 読み終わった [2012年9月1日]
カテゴリ 国内小説
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