新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

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本棚登録 : 3275
レビュー : 282
著者 :
あわよくばさん 日本文学:戦後〜昭和   読み終わった 

 ダチュラとはチョウセンアサガオのことなのだそうだ。てっきり村上龍の造語かと思っていた。村上龍の小説にぴったりな語感をもつ植物だ。
 ダチュラで東京を、軍艦島にする。正直キク・ハシ・アネモネには何一つ共感できないし読み終わるとげっそりするが、その空想だけはわりかし楽しかった。イヤ、別に病んでるわけじゃない。

 なんて汚くて、残酷で、孤独で、閉塞したこの世界。
 それでも生きていかなければならないのだな、と、力ずくで納得させられた感じ。
 文学というよりもはや力学の範疇みたいだと改めて思う。一見執拗すぎるような描写は、それ自体が読者の心を動かすエネルギーだから、無駄なようで無駄がない。

 函館の少年刑務所と海洋実習のシーンは、辻仁成の『海峡の光』を思い出したりなんかして。

レビュー投稿日
2012年5月17日
読了日
2012年5月17日
本棚登録日
2012年5月17日
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