新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

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本棚登録 : 216
レビュー : 25
著者 :
ますく555さん 小説   読み終わった 

いわゆる童話なんですが、大人がふつうに読めてしまうのは、まずその、著者の感性の清いところにあります。子ども時分の、まだ大人のように理性の厚い鎧で身が守られていない瑞々しい、感じやすいこころので感じられる、ここのうちの変容や生成されるウソじゃない感情は、簡単な言葉で表現されていますが、ほとんどそういったこころのあり様とブレがないように感じられました。
そして、次に、作品の根底にある新美南吉の思想が深かったことにあります。悲しみといったものをとくによく表現しています、それも、物悲しいというか、うら寂しいというか、そういったものまでを含む、幾種類もの悲しみをいろいろな作品で一つずつ(二つ以上ある作品もあったかも)扱っている。人は、孤独を通してそこから自己犠牲と報いを求めない愛の築設につとめなければならない、というような南吉の思想があって、そこには確信があったでしょう、だからこそ、しかりと子どものこころを導くような、そして大人の心にも修正を欲する気持ちをおこさせうような効果があるのだと思います。

レビュー投稿日
2014年11月12日
読了日
2014年11月12日
本棚登録日
2014年11月12日
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