『カチカチ山殺人事件』に引き続いてのテーマ別作品集。
「メルヘン」と「死」が非常に近い間柄というのは確かに、と頷ける。すなわち「ミステリー」と「メルヘン」との相性が悪いはずがないわけだ。
収録作品は50〜60年代頃を中心に活躍された国内作家によるミステリー短編8本を収録。尚且つ、未書籍化作など読みづらいものを優先して編されているようだ。
(当方、この辺は不勉強なので間違っているかも…)
個人的には…
角田喜久雄「笛吹けば人が死ぬ」は王道の兄弟入替トリックに教唆殺人ギミックも組み込まれ短編ながら存在感強い一本。
鮎川哲也「絵のない絵本」は何から何までかなり突飛な作品。偏った女性観に目を瞑れば、収録作中で最もメルヘン要素を堪能出来ると思う。
加田伶太郎「赤い靴」は童話モチーフではあるがキッチリ正統派なミステリー。この折り目正しさが先生の作風だそうなので、いずれ伊丹英典シリーズや他の作品も読んでみたい。
トータルで見ると『カチカチ山』同様、満足度はまずまず、といった所だった。
完全犯罪要素は…うーむ?
新装版1刷
2021.8.1
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年8月1日
- 読了日 : 2021年8月1日
- 本棚登録日 : 2021年8月1日
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