悪女入門 ファム・ファタル恋愛論 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2003年6月19日発売)
3.72
  • (30)
  • (42)
  • (61)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 566
感想 : 51
3

著者は性的倒錯者なのではないか。という一抹の不安を掻き立てる始まりだが...

フランス文学から紐解く悪女。往々にして、このフランス文学ってのは色恋やら、愛と憎悪が渦巻くものが多いね。

『マノン・レスコー』『カルメン』『椿姫』『サランボー』などなど11人から、ファム・ファタル:femme fataleを学べる一冊。

日本の小悪魔なんてのが、可愛く見えて仕方ないね。まあ時代背景ってのもあるんだろうが、金の動き方が小国の国家予算並とか。

序章あたりじゃ、随分と作者の押し付けがましさが溢れてるななどと感じていたが、進むうち、頷かざるを得ない内容。
最終的には、セックスを通じて瀆神を感じると...

一番、衝撃的ではあったが、物凄く納得出来たのがエミール・ゾラの『ナナ』
恋と贅沢と資本主義。

以下引用「資本主義の本質を生産に置くマルクスも、貯蓄に置くウェーバーも誤りであり、とりわけ近代資本主義を生み出すのは、むしろ富の循環を促す贅沢:奢侈消費であり、その贅沢の引き金になるのは、女に対する男の恋、ひとことでいえば恋愛と性欲である。」

今日日、流行りの肉食女子とやらが、これをマスターした日にゃ、どうなることやら。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年1月23日
読了日 : 2013年1月22日
本棚登録日 : 2013年1月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする