大抵人の1年間の成長って、みんな同じと思っているはずだ。でも、時間の流れが違う人が存在する。早老症の人だ。1年間で他の人の数年分の年を取ったような体になってしまう。
一方で、医療技術の向上により、凍結技術によって時間を遅らせることができるようになる。自分が凍結されている間に問題が解決していることを望んで。本書は、この凍結が終わり戻った後、どのようなことが待ち受けているのか、シミュレーションしている。
凍結していた時間をどう取り戻し、どうやって先を生きていくのか、この本では学園ドラマ仕立てにして読者に提示している。ある意味SFだ。面白かった。
ただし、読後に残ったのは、「できることとやっていいことは違うよね。慎重に進めなきゃダメだよ。」といういつもの海堂さんのメッセージだ。特に人の生き方にかかわる医療だから、そのメッセージを発信することはとても大切だと思う。
ブクログさんから献本を頂いたので、桜宮シリーズは途中をすっ飛ばして読んだし、実はモルフェウスの領域の続編なんだろうとは思った。読んでいないから分からないが、一定の解決を見せてあるのだろう。
それにしても、最後の一文が気になる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年6月29日
- 読了日 : 2014年6月29日
- 本棚登録日 : 2014年6月28日
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