「ポルノ惑星のサルモネラ人間」は単純に面白い。読んでいくうちに引きずり込まれて、自分の価値観が転倒していく。
「歩くとき」は読むのに疲れる専門用語が並んでいるが、間に低俗な言説が挟まって、その分思わず笑ってしまう。
「イチゴの日」はブスを美女として育て続けるマスコミのプロジェクトという発想だけでなく、それを島川ユリエ本人が気づいてしまうという展開に驚いた。
「偽魔王」も展開の仕方は「イチゴ」と似ている。スプラッター要素が強い。
「カンチョレ族の繁栄」も探検ものとしては「ポルノ惑星」と同じようだが、グロテスクさの方向性と価値観の転倒の方向性が違う。気持ちの悪い動植物の表現については、椎名誠の方が独創的かもしれない。但し、それは「カンチョレ族」が戦前のニューギニアを舞台にした体とも言える。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2011年3月25日
- 読了日 : 2011年3月25日
- 本棚登録日 : 2011年3月25日
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