いかなる時代環境でも利益を出す仕組み (日経ビジネス人文庫)

  • 日経BP (2024年4月3日発売)
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5

やはりオーナー経営者は違う、という感を改めて持った本。
長期的視点、ユーザーインで経営を行っている。
もとはプラスチック成型の下請け工場、それがブイやプランターなど自社ブランドを持つことで目覚め、
現在の、押しも押されぬ「アイリス」ブランドを持つ企業になっている。
前回読んだ豆腐屋社長の本に通じるものがある。

利益を出す仕組みにこだわり、工場は7割稼働まで。
それ以上の稼働率になったら新工場を建てる、というからすごい。
「効率」だけ考えたら100%が当たり前、になりそう。

経営トップがしっかりした理念を持てば、社員は余計な「政治」をせず、
業務に専念できる。
すばらしい。

ただ、、オーナー会社の弱みはあるはず。
今はマーケティング会議で最後は会長の目利きで商品化が決まるという。
ここに忖度はないのか?
いや、もちろん、彼が一番すごい目を持っているとは思う。
しかし、
兄弟や子供を幹部に登用しているところからすると、、、
一族がみな優れているとは限るまい。
何の根拠もないが、そこに一抹の不安?を覚える。

なので、代替わりしても大丈夫、という会長の考え通りになるか、見てみたいものだ。

それ以外はすべてうなづけるものばかり。
会社はトップの考え次第だ、と改めて思う。


序章 効率偏重経営の終わり

CHOICE 1 「環境変化に対応する」か「環境を自ら変革する」か

1章 製品開発力 売れる製品を最速で大量に生む仕組み

CHOICE 2 フォーカスするのは「買う人」か「使う人」か
CHOICE 3 KPIの目的は「業績向上」か「新陳代謝」か
CHOICE 4 開発は「リレー型」か「伴走型」か

2章 市場創造力 流通を主導し、顧客と結びつく仕組み

CHOICE 5 「自社の強みに絞る」か「自社の強みを絞らない」か
CHOICE 6 強みは「固有の技術」か「固有の仕組み」か

3章 瞬発対応力 急な外的変化を成長に取り込む仕組み

CHOICE 7 上げたいのは「稼働率」か「瞬発力」か
CHOICE 8 瞬発力があるのは「身軽な外注」か「柔軟な内製」か
CHOICE 9 「選択と集中」か「選択と分散」か
CHOICE 10 「短期の効率」か「中期の効率」か

4章 組織活性力 仕事の属人化を徹底的に排する仕組み

CHOICE 11 社長にとって「いい会社」か社員にとって「いい会社」か
CHOICE 12 経営情報を「独占する」か「共有する」か
CHOICE 13 組織内に「ヌシがいる」か「ヌシがいない」か

5章 利益管理力 高速のPDCAで赤字製品を潰す仕組み

CHOICE 14 PDCAの要所は「PLAN」か「ACTION」か

6章 仕組みの横展開

7章 ニューノーマル時代の経営
CHOICE15 業界は「守るべきもの」か「壊すべきもの」か

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年7月25日
読了日 : 2024年7月25日
本棚登録日 : 2024年7月21日

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