社会生活をしている誰しもが一度は「自分はズレている」と思ったことがあるはず...
「世間とのズレ」とどう付き合っていくかを考え直すきっかけになる本。
本書は「世間とのズレ」を自覚している養老さんと伊集院さんの対談。お二人とも「ズレ」を個性と捉えて活躍されているから尊敬する。
どちらかと言うと伊集院さんの「世間とのズレに怯えながら修正を試みるも、どうにもならず孤独に生きていた時期もある。今はなんとか調整しつつ生きている」と言う生き方に共感。
伊集院さんのようにズレを調整しながら生きている人がほとんどだと思う。私自身も同じ生き方なので、共感しつつも個性を殺しすぎている気がして自己嫌悪。
養老さんの「どこかで100%分かると思っている。全部分かるわけないのに。」という言葉に全てが詰まっている気がする。
私は「100%思想」を持っているのだと思う。
集団生活の中で生きるためには個性と世間とのズレをうまく隠しながら調整するしかないと思っていたし、努力すればズレは解消されて排斥されることもなくなる。だから個性を殺して生きていかないといけないと考えていた。
著者であるお二人は個性を活かしながら上手く世間と付き合っている。養老さんはズレを開き直っているし、伊集院さんは排斥されないセーフゾーンを狙って歩んでいる。今まで学んできた「一般的」を無視して「個性」を活かしている人が社会では活躍しているようだ。本書を読んで「100%はない」ということに気づかされた。
どんなに努力しても世間とのズレが100%解消されることはない。個性を排斥しようとする世間からも逃げられない。だったら「ズレはしょうがない。開き直って世間を冷静に見つめる」くらいに堂々と生きたい。
- 感想投稿日 : 2021年6月15日
- 読了日 : 2021年6月13日
- 本棚登録日 : 2021年6月13日
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