文系学部解体 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年12月10日発売)
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感想 : 30
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地方国立大学の内部にいる筆者による陳情・意見の本なので、極端な例やかなり怒りに満ちた言も見受けられる(評価アンケートや手続き合理性など)。

が、それをさしひいても、国の政権・行政方針が変わるたびに振り回されてしまう国公立大学の不憫さ(人手不足なのに学部新設させられたと思いきや早々に廃止だの、形式的事務作業圧迫だの、民間の経営手法に倣えだの・・)がうかがえる。

人文系学問は短期的に役に立たないからと軽視すべきでないし、知の多様性をいかに守るべきかは大きな問題だ。
まさに、哲学や文学に潜む文脈や歴史から、現世の常識を疑い、新しい問いを立てるための知なのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味・雑学
感想投稿日 : 2016年4月17日
読了日 : 2016年4月17日
本棚登録日 : 2016年4月17日

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