戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)

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レビュー : 32
著者 :
medamaoyajiさん 本・雑誌   読み終わった 

 「応仁の乱」よりずっと読みやすく分かりやすい。ぼくのような素人が応仁の乱の上っ面だけを知りたいのなら、本書最終章の「山名宗全と戦後レジーム」以降だけで充分。とは言え、そこに至る過程を知っておく方が遙かに理解は深まる。

はじめに――「戦争の時代」としての日本中世
第一章 蒙古襲来と鎌倉武士
「戦争」を知らない鎌倉武士/蒙古襲来は避けられた戦争?/鎌倉幕府の“平和ボケ”/一騎打ちは本当にあったのか/鎌倉武士の装備/武士団の構成/日本軍の弱点/「モンゴル軍優勢」という虚構/「神風」は吹いたか/モンゴル軍撤退の真因/戦後日本の「平和主義」/遺言状を書いて出陣/幕府権力の変質/「戦時体制」と鎮西御家人/鎌倉後期は「戦争の時代」か
第二章 「悪党」の時代
楠木正成は悪党?/『峯相記』に描かれた虚像/訴訟用語としての「悪党」/宗教用語としての「悪党」/「悪党」論の限界/有徳人=ヒルズ族の登場/有徳人はなぜ僧侶なのか/坊主の姿をした武士たち/「一円化」というサバイバル/「都鄙名誉の悪党」寺田法念 「悪党」は強かった?/なぜ鎌倉幕府は滅びたのか
第三章 南北朝内乱という新しい「戦争」
後醍醐天皇と足利尊氏/“圧勝”が後醍醐天皇を過信させた/足利尊氏は躁鬱病か?/東奔西走する兄・尊氏/「政道」を任された弟・直義/幕府の内紛で“六〇年戦争”に/守護と大将/転戦する武士たち/略奪という軍事作戦/兵粮料所の設定/半済令とは何か/陣夫と野伏/「戦術革命」はあったか
第四章 武士たちの南北朝サバイバル
戦いたくない武士たち/続出する戦死者/死地に赴く気構え/戦死以外のリスク/武士たちの危機管理型相続/一族団結の必要性/それでも団結は難しい/思いがけず長期化した内乱/「天下三分」はいい迷惑/遠征の忌避と「一円化」の進行/「危機管理システム」としての一揆/戦時立法だった一揆契状
第五章 指揮官たちの人心掌握術
催促か勧誘か/戦うお公家さん/北畠顕家の地方分権論/北畠親房は“上から目線”か/親房の「失敗の本質」/今川了俊は悲劇の名将か/足を引っ張られた了俊/大将はつらいよ/約束手形をばらまく/大義名分を説く/大将同士の交渉/軍勢の「勧進」/旅する僧侶/「勧進」も軍功/大将たちの「大本営発表」
第六章 武士たちの「戦後」
遠征は諸刃の剣/足利義詮の挫折/畠山国清の勘違い/遠征はもうこりごり/大内氏・山名氏の「降参」/応安大法は“大規模戦闘終結宣言”/戦闘態勢の解除/足利義満の一族離間策/内乱の幕引き/弓矢よさらば
終章 “戦後レジーム”の終わり
妥協の産物としての「室町の平和」/足利義持と諸大名の“手打ち”/“ハト派”の重鎮、畠山満家/「戦後レジームからの脱却」を目指して/室町幕府の「終わりの始まり」/追いつめられた赤松満祐/将軍犬死/「幕府を、取り戻す」/空洞化する京都/山名宗全と“戦後レジーム”/足利義政の錯誤/足軽と土一揆/村の“集団的自衛権”/勝者なき戦争/墓穴を掘って下剋上/平和は「きれい」か[/private]

レビュー投稿日
2018年11月4日
読了日
2018年4月13日
本棚登録日
2018年11月4日
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