家なき娘〈下〉 (偕成社文庫)

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本棚登録 : 72
レビュー : 9
meglinqさん  未設定  読み終わった 

物語として面白いのはもちろんなんだけど、大人になって読み返すと細かい所まで面白い。工場での人間関係などが現代からみてもあるあるな人間達の思惑が錯綜している所。自分がその火の粉を被らず、自分の正しいと思うところを捨てずに乗り切るかという危機に瀕する所。前半の肉体的な苦痛とはまた違ったものに対してペリーヌが対処していくところが頼もしい。(正確には工場での絶対権力者の信頼を勝ち得たから乗り越えられたが)

そして雑学的な所ではジュートの色でものの良し悪しを判断している場面(インドといえばスパイスとか茶ではなくジュートというのも)、とてもいい先生が出てくるが体格が良くベローヌという名前のままだから都会での先生として売れず田舎に残ってるとか(女性を蔑視しているわけではなくて聡明で使命感のある女性として登場している)、その先生がペリーヌの賢さを綴りは未熟であるがペリーヌが泥炭地の説明をした時の洞察力、観察力に感嘆したこと等。所謂叩き上げで工場内の事柄は全て掌握していて、言葉は流暢で丁寧なタルエルが実は根本を押さえてないとか。流石啓蒙思想が盛んであったフランスの小説だからか、ペリーヌが成し遂げた功績として工場の福利厚生があるとか。

そして子供の時は幸福に本を閉じたけれど、ペリーヌの今後はまだ一波ふた波ありそうにも思えるのだった。ペリーヌの存在だけで大叔母達が黙っていられるのか、ペリーヌに相応しい夫たりえる人が現れるのかとかね。

レビュー投稿日
2018年5月23日
読了日
2018年5月22日
本棚登録日
2018年5月22日
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