仮面の花嫁: 弄花伝 (もえぎ文庫)

著者 :
  • 学研プラス (2007年11月1日発売)
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本棚登録 : 43
感想 : 5
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秋山みち花先生の作品が好きなので、作家買いです。何か面白そうなものはないかとアマゾンを浮遊していたところ、この作品と出逢いました。
しかし、その時点で、既に新刊は在庫切れ。
他を当たったけど、同じでした。どうしても読みたいなら、電子書籍か古本という選択になり、やむなく古本を購入しました。

美少女と見まごう美少年が「姫」として育てられ、あまつさえ、その美貌を隠すために仮面をつけていた―。更に、幼い頃、たまたま出逢った他国の皇子が「姫」に強く魅せられ、花嫁にすると誓っていた。事情が事情だけに「姫」も彼を好きなのだが、求婚を受け入れられない。
だから、皇子は強引に姫を我がものにし―。
展開としては割とあるんだけれども、流石は秋山先生、のっけから引き込まれ、グイグイと引っ張られて最後まで読了しました。
「姫」が皇子を好きなのに、「本当の姫」ではないから一緒に行くことはできないと懊悩する姿、欲深な宦官の言いなりになる自分に自己嫌悪に陥りながらも凛として対峙する姿には好感がもてます。
皇子も強引に迫るけれど、基本、優しいし「姫」を好きなので、残酷ではないです。
何より私が魅せられたのは挿絵かもしれません。
一見、BLではなく、美男美女の恋愛物語りかと思いそうな美麗な表紙ですが、よくよく見ると「姫」の凛とした眼差しには女性のものではない力がある?

とにかく素敵な表紙です。
そして、表紙を裏切らない中身の面白さ。
後は感想にはなりませんが、「非常に良い」という状態の古書を購入したので、帯もついているし、ちょっと見には「古本」とは信じられない新品のような状態の良さです。
お陰で気持ちよく読むことができました。
前の持ち主さんが本を大切にする人だったのかなと、余計なことを考えつつ読みました。
読んだらまた売ろうかなと考えていましたが、あまりにキレイなので、このまま蔵書に加えようかとも検討中。
私も最近はたまに読了済みの本を売ることもあるけれど、たまに少し汚してしまうこともあります。
こんなキレイな本を見ると、以前の持ち主が本を大切にする人だったんだろうと思えるので、これからは更に気をつけて本を取り扱おうと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年12月15日
読了日 : 2017年12月15日
本棚登録日 : 2017年12月15日

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