覇王の拘束愛 後宮の淫夜は甘く激しく (ガブリエラ文庫)

著者 :
  • 三交社 (2015年7月25日発売)
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本棚登録 : 22
感想 : 3
5

―読了。最後まで期待を裏切らず、楽しませていただきました。―

まだあと少し残っているので、この段階でのレビューは反則かとも、、、

☆互いを想い合う皇帝と妃睡蓮の姿にまず、心を打たれました。―こう書くと、もの凄くありたきりなんですが、本当に良いなと思いました。
睡蓮は皇帝のために生命を賭けた呪術をその身に受け、己れの生命と引き替えに皇帝の名誉と国の未来を守り抜きました。しかし、その契約はけして誰にも洩らしてはいけないもので、皇帝は睡蓮の心が自分から離れたのかと勘違いし、彼女を監禁し無理に意に従わせようと辱めました。
結局、その疑いは晴れ、皇帝は睡蓮にかけられた呪いを解くには逆に自分の生命を引き替えにするしかないと知り、彼女の飲もうとしていた毒をあおりました。

二人ともに、自分の生命を捨てても惜しくないと思い、それをためらわず実行に移したのですね。
ハードな描写が多いにも拘わらず、この作品が読者を感動させてくれ、全体的に心を打つ秀作に仕上がっているのは、ひたすら相手を思う捨て身の愛の気高さが作品全体を流れているゆえだと思います。
ただ、一つだけいえば、逆に不必要かと思えるほどの皇帝が彼女を辱めるシーンが多すぎ、また度を超えるシーンもあって、それが残念です。しかし、レーベルの特色上、そういうシーンはお約束なのでしょうし、それは仕方のないことかもしれません。
とにかく、一つ間違えば、ただのエロ小説になりかねないのが、それを殆ど感じさせない感動純愛物語りになっているのは作家の力量だと思います。
とても良い勉強にもなりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年8月7日
読了日 : 2015年8月9日
本棚登録日 : 2015年8月7日

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