コンビニ人間

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本棚登録 : 13590
レビュー : 1964
著者 :
Megさん  未設定  読み終わった 

たぶん私に合う本だな、と思い、読んでみたらその通りだった。
気持ち悪い、というのがこの本への褒め言葉だと思う。なんの間違いもない家庭で普通に育ったはずなのに、なぜか社会に適合できない36歳女性。決して馬鹿ではなく、だからこそ面倒を避けて「普通」に生きるために無機質に周りの人を真似ている、という気持ち悪い人物描写がたまらない。そして彼女に唯一正しい日常をもたらすのが、コンビニという無機質でマニュアル通りの世界、という舞台設定もとても皮肉で気持ち悪くていい。
思えば私自身もずーーーっと、自分が普通じゃないことを考えて生きてきた。この本の主人公と比べると、もうちょっとだけ自分のおかしさに理由付けができて、もうちょっとだけ見栄とプライドと自意識過剰があったからコンビニ人間にならなかっただけ。この本を読んで、自分も排除されないように色んな人を真似してきたこと、色んな人の切り貼りなキャラクターになってることを思い出して少し気持ち悪さを思い出した。まっとうな人間が私に会うと、こいつやべえなって感じると思うんだけど、それはこの切り貼り感にあるんだと思う。とりあえず面倒だから、人見知りのオタクなんですいません、って言って片付けるけどね。

でも、意外とみんなそうなのかもしれない。意外とみんな何かのマニュアルに従って、誰かの真似をして、コンビニのレーンのように社会で整然と生きているだけなのかもしれない。
みんなコンビニの商品と一緒。期限が過ぎたり、列を外れたり、カテゴリ分けができなくなったら排除されるだけ。そうならない人は全部わかっていて上手くやる頭の良い人か、あるいは逆に何も考えなくて済んでる能天気で幸せな人たちなんじゃないかなあと思う。
という気持ち悪い考えを呼び起こしてくれる面白い本でした。

できることならもう少し長くこの女性の気持ち悪さを味わっていたかった。後半から登場する人物が彼女の不気味な整然とした世界を壊すのだが、その後の描写は普通になってしまって、ちょっとつまらなくなった。
たぶん私がこの女性と似てるからだろうな。うわー、わたし、気持ち悪っ。

レビュー投稿日
2017年5月11日
読了日
2017年9月10日
本棚登録日
2017年5月11日
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