
1000年後の日本。
人が呪力(魔法)を獲得したことによって起こる悲劇。
倫理というジレンマに立ち向かう冒険小説。
おとぎ話のように魔法という力は、ただ空を飛んだり、
物を思いどおりに動かしたりするのではなく、
その力が強い程どうしようもなくなり、倫理観も崩壊する。
科学による崩壊と、呪力による崩壊、
文明が衰退してから1000年後という点では風の谷のナウシカと共通するところがある。
ナウシカでは旧世代が生態系を元に戻すため、腐海を造ったが、
人類を維持するため、新世界でも負けじとエグい方法が執られていて、
物語の主人公たちはそれを知らず(隠され)生きている。
単行本では900ページ以上の長編になりますが、
悪鬼が登場する後半以降のスリリングな展開は引き込まれます。
[2008年、日本、498P、日本SF大賞]
- レビュー投稿日
- 2012年10月23日
- 読了日
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- 本棚登録日
- 2012年10月17日
『新世界より (上)』のレビューへのコメント
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