ショック・ドクトリン〈上〉――惨事便乗型資本主義の正体を暴く

  • 岩波書店 (2011年9月9日発売)
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ミルトン・フリードマンらによって提唱された新自由主義がいかにして人々の生活を破壊したか。彼らは自然災害であれ、戦争であれ大きな破壊に直面してショック状態に陥った人々や共同体のすきにつけ込んですべてを自らの手に奪い取った
ナオミ・クラインはその手法の基礎として精神療法の一つとして一時実験され(そして失敗した)ショック療法の証人を訪ねることから語り始める。
その後、議論は新自由主義的実験のプロトタイプであるチリの状況から始まり、サッチャリズム、ポーランド、南アフリカの状況へと拡大していく。
新自由主義がいかにしてその勢力を拡大し、それに伴い人々の権利、公共空間が失われ貧富の差が拡大し、人々が絶望の淵に落とされていく状況が詳細に検討されている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2019年6月23日
読了日 : 2019年6月23日
本棚登録日 : 2015年11月23日

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