「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

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本棚登録 : 7838
レビュー : 952
制作 : J.K.Rowling  松岡 佑子 
ヒギリさん 児童書 社会派   読み終わった 

ハリーポッター最終巻。
つらいシーンや苦しい状況が目白押しだけど、ここにたどりつくための七年だと納得のいく決着だった。

この巻の序盤は、シリーズ中盤からどんどん増していく重さの最高潮だから、きつい。
現実世界のそうだった過去や、そうなりかねない近い未来と重ねて更に息苦しくなる。
大人の庇護から離れて3人だけでぐるぐるしちゃうあたりなんかは本当に恐い。

”死は突然であり妥協がない。”という文のとおり、なじみのキャラクターも名もなき人もぱたぱた死んでいく。
いくつかの死は必然。その死によって物語が動いたり、目的を持って殺されたりする。
いくつかの生も必然。このテーブルにつくために、この人は生き残らなければならない。
だけどほとんどの登場人物は、くじびきで決めたのか?ってくらい「たまたま」死ぬ。
そこにいたから。当たっちゃったから。
その人が死んでも生きても筋は変わらないのに。


これは魔法の杖をばんばんふるうファンタジーだけど、「魔法の杖なんかない」って話なんだと思う。
主人公だってすべきことがわからず途方に暮れるし、庇護者も強敵も情勢を読み違える。
すべてお見通しの人も常に絶対正しくて失敗しない人も無敵の人もいない。
リーダーがどれだけ大きくてもその個人がひとりで世界を動かしているわけじゃない。
それぞれをかついで動く人たちや、見て見ぬふりで動かない人たちが世界を作ってる。

だから親玉を倒して世界を塗りかえることも、救世主を倒されて塗り変えられることもない。
ただひたすら地道に何度も何度も正し続けてよい状態を維持していこうとする。
そんな地味で面倒くさくて大事なことをきちんと描いている話だった。



訳のヴォルデモートの口調が軽いのが気になってしょうがない。
「俺様は御所望なのだ」って、ばいきんまんか。

レビュー投稿日
2015年2月15日
読了日
2015年2月8日
本棚登録日
2015年2月9日
4
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