百鬼夜行シリーズの第1弾&私にとって初のシリーズ小説。
心理学・民俗学(怪異譚多し)・宗教学などが混ざったエログロ猟奇趣味とも言える事件を古本屋件憑物落としの京極堂が論理的に解明していくこのシリーズ。
『姑獲鳥の夏』の語り部でもある文士・関口がこの奇々怪々な事件にのめり込んでしまったように、私も夢中で読んでしまった。
しかし!京極堂が広大な知識に則して解明することで、現実世界に戻ることができると思いました。
【幽霊や呪いというのは生きている人間の脳と心が作り出したもの】
この京極堂のスタンスも非常に魅力的。
百鬼夜行シリーズは【論理的に考えるトレーニング】になると信じてやみません!
また、鬱気質の関口は
《冷静淡々かつ博識な京極堂》と《天真爛漫だけど気分屋な探偵・榎木津》という数少ない友人2人に救われています。
この2人と《超合理的で豪快な刑事・木場》はなぜか読者側の気持ちも軽くしていると思えてなりません。
「表紙が怖いからちょっと…」
と思っているそこのアナタ!
ホラーじゃありませんよ!
そして厚さは気にならないほど面白い。
日本の民俗学などを研究している・していた方はツボだと思います。
やっぱり人気作家は違う…
先にコミック版『魍魎の匣』『狂骨の夢(未完)』を読んでいて、『狂骨の夢』がツボすぎるので評価4で!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年9月27日
- 読了日 : 2012年9月27日
- 本棚登録日 : 2012年9月27日
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