世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)

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  • 光文社 (2017年7月19日発売)
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タイトルにもある通り、ビジネスにおけるアートの重要性を説いた1冊。
著者曰く、論理的思考が普及したことによる「正解のコモディティ化」、「全地球規模の自己実現欲求市場の誕生(= すべてのビジネスはファッション化する)」、「システムの変化にルールの整備が追いつかない社会(=過去と照らし合わせた意思決定ができない)」という3つの大きな変化によって、これまで有効に活用されてきた「客観的な外部のモノサシ」が通用しなくなり、「主観的な内部のモノサシ」、つまり「真・美・善」の美意識を持つことが重要であるとのこと。
実感として、ロジカルシンキングなどは突き詰めると1つの解に収束すると考えた時に、確かに重要となるのは個人の美意識(デザイン、ストーリー...)であると感じるため納得のいく主張であった。

個人的に印象に残ったのは、「悪とは、システムを無批判に受け入れることである」というハンナ・アーレントの引用。これは過去の日本軍にも当てはまり、また現在にも通用する非常に示唆に富んだ指摘であると思う。ハンナ・アーレントの本も読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営学
感想投稿日 : 2018年6月14日
読了日 : 2018年6月9日
本棚登録日 : 2018年6月9日

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