ファッション・ライフの楽しみ方 (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2015年4月22日発売)
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本棚登録 : 71
感想 : 9
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思い返せば中学2年生ごろからオシャレに目覚めた私であったが、センスはイマイチだった。
原宿に初めて行ってみたはいいが、人の多さに驚き、髪型も決まらない、生まれつきの近視で乱視だったために可愛くないメガネ。
お小遣いは少ないし、ファッション誌は恥ずかしくて買えない.....
と、もがいていた時期であった。
本書は男子学生向けではあるけれど、ファッションの基礎が載っていて、もし、当時読んでいたら、あんなに迷走しなくても済んだのに、と女子学生だった私は思う。

いまは本当に恵まれていて、雑誌を買わなくてもネットで情報は入ってくるし、ファストファッションは安くてオシャレ(ZARAやH&Mは大好き!)。
小学生だってびっくりするくらいかっこいい。
でも、きっと、そんなオシャレな人ばかりではない。
無難にまとめようと思っても、なんか地味、なんかダサい、力入りすぎ.......
そんな迷える子羊には先ず、この一冊。

ストリートファッションは4種類に大別できる。
トラッド、ロック、フォークロア、カジュアル。
この変遷を見ていると、ファッションとは実は奥深いことに気づかされる。
少しずつ変化させながら、古い物にも立ち戻り、そこから新しい物を作り出す。
でも、難しいことではない。
いいな、と思った物に対する知識を持ち、他人の意見も取り入れていくことで、自分自身が変わっていく。
これってとても面白いことじゃないか!

私がとても面白いと思ったのは日本初来日が話題となったコンチータ・ヴルストのイラスト。
本物もなかなかにインパクト大なのだが、ジェンダーレス、ボーダーレス、これが今の時代を表していて面白い。
歳をとればとるほど、過去の栄光や自分の中の普通に固執してしまいがちだ。
もちろん流されない部分もあって当然だが、流れに乗ることで他人を認め、理解する場面も出てくる。
それを頭のどこかに置きつつ、自分らしいファッションを楽しみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文化
感想投稿日 : 2015年7月26日
読了日 : 2015年7月15日
本棚登録日 : 2015年7月26日

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