女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと

著者 :
  • KADOKAWA (2017年6月2日発売)
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女の子はいつかは大人になる。
その道のりは平坦ではない。
好きなことをやろうとすると、男の子みたい、女の子らしくないと言われる。
大人になっても、女子力が低いとか、モテないとか、周囲からのちゃちゃが多すぎる。
だから、自分はもともとこういうもの、と決めつけて、だれかに頼って生きていこうとする。
頼ることは決して悪くないのに、行き過ぎてしまうのだ。
そんな、女の子たちにもう一度自分の足で立って歩けるように、しなやかに生きて行けるように声援を送っているのが本書だ。

「結婚か、仕事かだったらどっちもとってください」(132頁)
これに加えて今は育児だろうか。
全部取るのはとても大変、辛いことが多いかもしれない。
でも欲張りな私には、どれかを諦めるなんてできないのだ。

「ダイヤモンドをくれる男より、一緒にリヤカーひいてくれる男がいい」(133頁)
辛い時に一緒に何かをできる人、補える人。
理想だ。
そんな男なんていないよ!だって?
いないなら育てちゃえ!20年かけて。
「王子様を待たないで」(157頁)
たとえリヤカーを共に引いてくれる人がいても、その人は人間。
いつかは死んでしまう。
その時、途方にくれる泣き虫のお姫様じゃダメだ。
日本の姫は薙刀(経済力)は必修でございますぞ!

「道は一つじゃない。人生にも抜け道、けもの道がある」(53頁)
うまくいくことばかりじゃない。
思い描いた道とは違う道ばかり、道無き道を行くこともあろう。
でもそこにこそ新しい何かがあるかもしれない。
レールを敷く側になって、続く人たちがいつも安全に、レールの上を快適に進めるように。

でも、そんなパワフル母さんでありたいし、そうだとも思っているけれど......。
「くっついてきたあの時、もっと、ぎゅーっと、何度でも、抱っこしてあげたらよかった。
家なんて、もっと汚くてもよかった。洗濯物も、ためちゃえばよかった。
家事なんて全部あとまわしにしたらよかった。
もったいないことしちゃった。」(35頁)
この言葉に一番泣かせられるということは、子供達に寄り添えていないことをわかっているからかなあ。
うっとおしいくらい甘えん坊で、おしゃべりで、自分勝手で、泣き虫で、そんな、自分によく似た子供達のことを。

女の子が、生きて行くのは大変だ。
苦しいことも多いから、心に残る言葉が一つでもあれば、きっと、明日も生きていけるはず。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2018年4月20日
読了日 : 2018年3月14日
本棚登録日 : 2018年4月20日

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