浅き夢見し、の後は現実がやってくるのだろうか?
もしかしたら夢を見ていたほうがまだマシだったかもしれない。
『フリッチェン』
モンスターペアレントとはこのことか?
ママ、ママ、助けて。
幼子が泣いている様子を見ると、母は居ても立っても居られない。
私の可愛い坊やを、よくも.....!!!!
親が子を思う心はとてつもなく大きい。
絶望的に。
『変身処置』
私は決して美しくはない。
だが、私は私。
完璧に整った顔、体、同じ考え、心。
同じように生産され、同じように考える。
それが人々の行き着く先だとしたら、一体人が人である意味などあるのだろうか?
NHKの「NEXT WORLD」ではそんな未来が30年後にはやってくるかもしれない、と匂わせていた。
それは幸せになれるのだろうか?
技術の行き着く先に「人」は存在するのだろうか?
『終油の秘蹟』
遠い未来、あるいは少し先の未来。
人間とは何か、とその老人は考える。
今まであった嬉しいこと、楽しいこと、その全てが実は膨大なデータで、湧き上がる感情は「まがい物」。
どこをみて、人は人だと言えるのか?
血を流したら、感情があったら?
一部が機械であっても人間なら、逆にほとんどが機械であったら?
手塚治虫の『火の鳥』に登場するロビタの悩みと同じものをこの登場人物たちは抱えている。
生きることの意味とはなんだろう?
静謐さの中に全ての感情を含んだ物語だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2015年3月18日
- 読了日 : 2015年3月15日
- 本棚登録日 : 2015年3月18日
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