いうまでもなく、世界中で女性は男性に比べ圧倒的に弱い立場に置かれている。
これは、私の思想信条ではなく、各公的機関の調査等で明らかになっていることである。
だから国連女性機関があり、女性の権利条約が結ばれている。
本書では事実のみを述べ、その事実は莫大な数の各国、各機関の統計で出来ている(巻末資料参照)。
カラーはポップでありながら、非常に見やすいグラフが用いられている。
まさにそこが著者、訳者が苦労したところだそうだ。
フェミニズム、ここに極まれり。
さて、フェミニスト、というと、あえてこういう言い方をするが、
「ブスでモテない上に取り柄のないババアが権利権利とうるさく騒いでいる」
と思われるかもしれない。
それは貴重なご意見として承るとして、本書は単純に地図としてとても優れているからフェミニスト以外にも目を通して欲しい。
何が、どこでどう起きていて、その割合や前回調査と比較してこう変わった(あるいは変化がない)ということがよくわかる。
社会科教員免許を取得した身としては、地図の見方、面白さはこうだと伝える格好の素材だ!
もちろん歴史的側面や公民的な面(倫理・政治経済)からも。
名誉殺人、レイプ、DV、中絶といった性にまつわる意思決定において女性の意思の欠如が本書ではわかる。
オリンピック、ミス・ワールド、美。
教育の機会、国政、軍隊。
本当にありとあらゆるものが一冊にまとまっている。
私は、個人的な意見として、日本が国際的な発言権を得るには総理大臣、つまり国家元首が女性を立てなければならないと思う。
大国アメリカも、中国も、ロシアも、まだいない。
他の国ではいるけれども、やはりまだ珍しい。
誰もやっていないことを先んじなければマーケットで主導権は握れない。
追随者では所詮二番煎じ。
一番じゃなきゃダメなんですよ!
研究者も、ビジネスパーソンも、
「社会では」「会社では」「新しい考えを出せなきゃ」「そんなことじゃやってけないよ?」と仰る。
1000000回くらい聞いているんですけれど、真に出来ていないのはそちらでは?
と、煽ってみたけれど、喧嘩がしたいわけじゃない。
みんなが幸せになる方法を真剣に考えるべきで、それは誰もが対等に話ができることだと私は思っている。
- 感想投稿日 : 2021年2月14日
- 読了日 : 2021年2月14日
- 本棚登録日 : 2021年2月14日
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