トヨトミの世襲

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  • 小学館 (2023年11月30日発売)
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トヨタ自動車の内部を暴くトヨトミシリーズの第3弾。
「野望」、「逆襲」に続き、今回は「世襲」。
その言葉通り、本作のメインは、トヨタ自動車(トヨトミ)における豊田章男(統一)から息子の大輔(翔太)への世襲、そして、モデルが定かではないが、自動車モーターの製造メーカーである織田電子における創業者の織田善吉から息子の歳三への世襲という2つの世襲が軸となる。
この二軸を元に、2020年夏のコロナ禍から2023年春の会長逝去、社長交代までの期間、トヨタ内外で実際に起きた出来事が、生々しく描かれる。

私はトヨタ関係の会社に勤めているが、全チャネル併売、クレド、不正車検に関してのことは全て自分が知っていることと矛盾しておらず、ほぼ事実と言って間違えないと思う。
上記3つは自業務に密接に関わっていた事案で、会社内にいると自然に受け入れてしまえていたが、改めて小説として俯瞰で見ると、かなり酷いことをしている会社だなと思わずにはいられない。殿様商売にもほどがある。
加えて章男の女性関係のだらしなさ…。こうした部分は普段働いていても見えてこない部分であり、自分の目で見て確かめたわけではないので真偽の程は定かではないが、他の信憑性が高いから信じてしまいそうになる。
そして、衝撃的だったのは新太郎(亡くなった豊田章一郎会長)と佳代の愛人関係、佳代と清美(章男の妻で豊田裕子)の母娘関係。章男からしたら、自分の父との愛人関係にあった人の娘が自分の嫁ということになる。歌舞伎の世界レベルで複雑。世襲って改めて怖い。(事実かはわからないけれど)

内部の人しか知らないことも含まれているので、改めて覆面作家の正体が気になるところ…。
次回作が待ち遠しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(社会派)
感想投稿日 : 2024年1月18日
読了日 : 2024年1月18日
本棚登録日 : 2023年12月6日

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